「チベットの風景。」
昨日の昼過ぎにLhasa(ラサ)を出発した2人は、今、青海チベット鉄道に揺られながら中国・四川省の省都『成都(チャンドゥー)』を目指している…。
昨日の昼過ぎにLhasa(ラサ)を出発した2人は、今、青海チベット鉄道に揺られながら中国・四川省の省都『成都(チャンドゥー)』を目指している…。
この1週間、いくつもの小さな村や町を通り抜けながらチベットという国を旅してきたが、やはり一番強く印象に残ったのは、最後に訪れたこのラサという大都市が持つ独特の宗教的な『力強さ』だったろう。ここには、世界のどこにもないような特別な雰囲気が、確かに存在している。
セラ寺を訪れた。前日、ガイドのテンジンから「ラサに来たら、ここは絶対に見ておかなきゃだめだよ。」…と言われた、その理由は多分2つ。1つは、この寺で公開されている『砂曼陀羅』の見事さであり、もうひとつがこの、一休さんでもお馴染みの『禅問答』…。
夕方、気が付いたら2人はポタラ宮の傍に戻って来ていた。「夜のポタラ宮も見てみたいな…。」そう思ったのはいいが、ただ待ち続けるには外の空気があまりにも冷た過ぎる。風にさらされた顔や指先に千切れそうな痛みを感じて、ひとまず目の前のデパートに逃げ込んだ。窓からポタラ宮が見えるカフェで、簡単な食事を摂りながら時間をやり過ごす。午後から出はじめた灰色の雲が、夕陽を受けて不思議な色に染まっていくのが見える…。
午後、ジョカン(大昭寺)を見学。ここは、ラサの旧市街地区の中心にある吐蕃時代の寺院で、創建されたのは7世紀中期。昨日、2人が迷い込んだ「アメ横のような活気の通り」は、この寺を囲む環状の通路であったのだ。ちなみにこの“巡礼路”の方は、バルコル(八廓街)と呼ばれているらしい…。
Lhasa(ラサ)の象徴、そして、チベットの象徴ともいえる巨大建造物『ポタラ宮』。
宿から歩いても30分ほどの距離を、一行はTourバスに揺られて移動してきたのだが…窓の外にその威容が姿を現したとき、ふと身体が震えるのを感じた。写真でしか見た事のなかった風景。ウソみたいに晴れ渡った空の青さに、この場所の持つ不思議な力を感じた…。
夕方、Lhasa(ラサ)に到着した。宿は旧市街の伝統建築的な建物で、内部の装飾などは寺院建築と似た雰囲気。部屋も素敵で、何よりベッドに“電気毛布”が敷かれているのが、とっても嬉しい。ここまで、チベットにおける最大の敵は、何と言ってもこの泣きたくなるような“寒さ”なのだから…。
いよいよ、この旅の最終目的地「Lhasa(ラサ)」に向けて、最後の長距離移動である。AM7:00にホテルのロビーでいつもより早めの朝食を済ませると、総計8時間以上の「バス型冷蔵庫!?」に揺られる旅路に備え、万全の防寒装備を整えた…。
Gyantse(ギャンツェ)の町の一角には、中国人移民の影響をあまり受けていない「かつてのチベット」を思わせる旧市街が残っており、ひっそりと静かな佇まいをみせている。
チベット仏教における第2の指導者である「パンチェン・ラマ」が住まう町、Shigatse(シガツェ)。その彼が座主を務める大寺院「タシルンポ寺」を訪れた…。
今日もShigatse(シガツェ)に滞在となっており、PM3:00からの寺院見学までの間はFree Timeということらしい。2人は、Tibet(チベット)第2の町の“活気”を求めて、ひとまずマーケット周辺を目指し歩き始めた…。
Tour 2日目。心配していた“雪”は夜の間は降りやんでいたようだったが、朝方になってまた、粉状の白い粒がパラパラと降り始めてしまった。…しかし、道路に積もった雪の量と空模様を確認していたガイドの口から「オッケーだ。今日は移動できそうだよ。」という言葉を聞いて、一同ホッと一安心。なんとか、先に進んで行けそうである。
AM5:00起床。急いで着替えと荷造りを済ませると、照明のおちた真っ暗な階段を通ってホテルのロビーへと下りる。最初はどこにも人気がないように思えたが、2人が下りるのと同時に、影から現れたボーイの1人が小さな照明を1つだけ点けてくれた。受付で部屋のキーを返し、薄明かりの下のソファーに座ってもう一度荷物を確認する。チベットに向かう朝。いよいよ、この旅で“最後の国”となるかもしれない国「中国」へと突入するのだ…。