20 January, 11

「誰もいない…。」

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夕方、気が付いたら2人はポタラ宮の傍に戻って来ていた。「夜のポタラ宮も見てみたいな…。」そう思ったのはいいが、ただ待ち続けるには外の空気があまりにも冷た過ぎる。風にさらされた顔や指先に千切れそうな痛みを感じて、ひとまず目の前のデパートに逃げ込んだ。窓からポタラ宮が見えるカフェで、簡単な食事を摂りながら時間をやり過ごす。午後から出はじめた灰色の雲が、夕陽を受けて不思議な色に染まっていくのが見える…。

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…長居の末、ウェイターの視線が少し気になり始めた頃に、ようやく重い腰を上げて、寒風の吹きすさぶ冬のLhasa(ラサ)の夕闇を歩き始めた。

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夜の闇が、周囲の風景を完全に飲み込もうとしている。気付いたら、鮮やかなライトに照らされたポタラ宮の姿が2人の目の前に迫っていた。昼のポタラ宮はもちろん良いが、こちらの雰囲気もまた、悪くない。人気のない夜のポタラ宮広場。周りには写真を頼む人もいなかったから、平らな地面にカメラを置いて「タイマー」で記念撮影をしていたのだが、その仕草が“爆弾を置いて逃げるテロリスト”と間違われてしまったのか、近くを巡回していた軍人さんに随分大きな声で怒鳴られてしまった。急いでカメラを地面から拾い上げ、「カメラだよ、カメラ!」と、こちらも大声で必死に“無実”を主張することに!?…危ない、あぶない。ここは、そういう場所だったんだよなぁ…。

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