17 January, 11

「Buddhist。」

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チベット仏教における第2の指導者である「パンチェン・ラマ」が住まう町、Shigatse(シガツェ)。その彼が座主を務める大寺院「タシルンポ寺」を訪れた…。

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ガイドの聞きづらい英語の解説によれば、パンチェン・ラマというのが元々、チベット仏教において宗教的には最も尊い存在であるらしいのだが、ダライ・ラマが宗教と政治を一手に掌握したことにより、ある時点からその位置関係が逆転したということらしい。

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寺の中では、ガイドがそれぞれの建物やその内部に収められた仏像などの1つ1つに対して丁寧な説明をしてくれていたのだが、何せ彼の話す英語はかなり癖のある「Chinese English(Tibetan English)」で、英語が母国語なわけではない2人にとって、その内容を把握するのは至難の業。結局途中から“聞きとり”を諦めてしまった為、寺の成り立ちや曰くなど、細かい事は“分からず仕舞い”だった。

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でも、そこにある雰囲気や僧侶たちの立ち居振る舞いに注目しているだけでも、こういう場所はそれなりに楽しめてしまうものである。

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そして、寺の内外で“五体投地(両手・両膝・額を地面に投げ伏して行われる礼拝の儀)”を行っている人々の中に宿る宗教心の強さを感じるにつけ、横にいる西洋人たちから「日本人も仏教徒なんだろ?」と言われることに、違和感を覚えないわけにはいかなかった。

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確かに日本は仏教国だろうが、自分たちが「仏教徒である。」といえる人が、今の若者の中にどれほどいるだろう。仏教に関しての質問と言うのは旅をしていて良く聞かれるものの1つだけれど、2人のような“無宗教”的気分の人間にとって、これほど答えにくい質問もまた、ないのである。

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世界の何処を旅していても必ずどこかで感じる宗教的な“光と影”が、これほどまでに希薄である日本と言う国の不思議さを思ったが、それは日本に限らず、先進諸国の都市部ではどこも同じようなものなのかもしれない。アメリカやヨーロッパでいくつかの都市に行った経験からも、旅人が“宗教”を感じるような場面はほとんどなかったしね。

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だから、後進諸国を旅する経験というのは、そこに暮らす人々の強烈な“宗教的暮らし”に面食らう日々でもあり、この長く険しい(!?)旅路を通して、2人も様々な“神”や“宗教”の存在を知り、興味を抱かされる事となったのである。

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チベット仏教も、また然り。この土地に暮らす人々や、彼らが抱いている宗教心に関しての、チベット人ガイドの“力説”はとても興味深い。そして、それを力づくで奪い去ってしまった中国に対して、彼(彼ら)が抱く怒りの強さもまた、切実に感じる事が出来る。

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夕方、陽が傾いて再び寒さが厳しくなり始めた頃に、タシルンポ寺でのガイドTourは終了した。ここで自由解散となり、明日の朝の出発時刻まで各自好きに時間を使えるという事。2人は腹が減っていたから、とりあえず寺の前で見つけた地元色の強い食堂に入った。

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中に入って様子を探ると、どうやら従業員たちが床の掃除をしているらしい。メシを食っている客の数もまばらで、どうやら閉店間近なのかもしれない。急いで簡単なメニュー(MoMoと麺)に決めて、“指さし”で注文して席に着いた。

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隣りには3人連れのおばちゃんたちが座っていて、何やらクリーミーな液体を飲んでいる。「何だろう、あれ…。」なんて思いながら眺めていたら、1人のおばちゃんがポットを持ってこちらにやって来た。どうやら、「これあげるから、コップ持ってきな。」みたいなことを言っているらしい。あわててカップを2つ見つけてきて、その液体を注いでもらう。

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何だろう、色的には豆乳の様な雰囲気もあり、見た目には非常に“美味しそう”である。
始めて飲む“液体”でもあり、恐る恐るという感じで、どちらからともなくカップを啜る。すると、何だか柔らかく優しい甘さが口の中いっぱいに広がったのである。
「もしかして、これがチベットの“バター茶”ってやつなんじゃないかな…。」

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「これ、バター茶?…えっと、バターTea??」みたいなことをおばちゃんに訪ねてみると、質問の意味を分かったのかどうなのか、とにかく「ウン、ウン。」みたいに頷いている。これが実際なかなか美味しかったから2人とも満足げな表情で飲んでいたら、その後2杯、2杯と、何度をお替りを注いでくれたのであった。後から出てきたMoMoと麺はたいして美味しくなかったけど、あのバター茶だけは、なかなかのもんだったなぁ。

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とはいえ食事が空振りに終わった為、何だか胃袋が満足しきれず、帰りがけにもう一件気になる食堂に立ち寄っていった。これは、チベット風「串カツ」とでも言うのだろうか。それとも、中華風?見た目は何せ美味そうで、実際それなりに美味いのだが、ただひとつ、味付けがあまりにも辛すぎる!?寒い地域で“暖をとる”ための方策なのか、この辺りには辛い料理がやたらと多いようである。それにしても、この串は…。最後は、旨味というよりも“痛み”だけが口の中に残った夕食となりました。

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