19 January, 11

「Trip Together。」

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いよいよ、この旅の最終目的地「Lhasa(ラサ)」に向けて、最後の長距離移動である。AM7:00にホテルのロビーでいつもより早めの朝食を済ませると、総計8時間以上の「バス型冷蔵庫!?」に揺られる旅路に備え、万全の防寒装備を整えた…。

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このメンバーでいく旅路も、いよいよクライマックス間近である。様々な局面を共にしてきた事でそれなりに連帯感が生まれてきていて、車内の雰囲気はいつも非常に和やか。とくに、ナイジェリア出身の単独旅行者ナッシュの存在が、いつも車内に笑いを生んでいる。

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見た目はBlack Africanではなく、白人的顔立ちというか、パリに住んでいる辺りも含め、“ジダン”的な感じというところか。でも、その行動や考え方はバリバリのアフリカンSoulを体現しており、何処に行っても、誰と対峙しても(それが軍や警察官でも)、挨拶の際には常に腰を振り、スキンシップ(肩を組んだり、握手を求めたり)を求めていく。

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声もでかく、デリカシーを感じさせないその行動に、当初は皆「あいつを何とかしろ…。」的な気持ちを抱いていたものだが(言わなくても、それは感じ取れた)、実際に彼のふるまいを見ていると、そういった限度を越えてあけっぴろげな態度に、大部分のチベット人たち(軍も含め)が最終的には笑顔を見せ、打ち解けている事に気が付いたのである。

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実際、彼は実生活では世界中の子供たちを助ける福祉活動的な仕事をやっていたりもするし、言っている事の大半も、良く訊いてみれば道理を得ている。
そのうち、グループにおける彼への認識が「あいつは、ああいうヤツなんだ。」という風に変わっていって、最後には「ああいうのって、誰にでも出来ることじゃないよな。」と、半ば尊敬の様な眼差しを含むようになったのであった。

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ムードメーカーは彼だろうが、それ以外の参加者たちもみな人柄がよく、メキシコ・チリからの参加者たちはラテンのムードで車内を和ませる。

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ドイツ人(♂)とベルギー人(♀)のカップルはいつも全体の輪を考えているし、キウイ(ニュージーランド人)の若いカップルは2人とも見るからに「イイ人」で、全員での写真撮影などを率先して行ってくれる。

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2人の他にもう1名いる日本人の参加者“テツさん”は、全く英語が話せないのにも関わらず、豊かな表情でみなと上手にコミュニケーションをとっている。2人にとっては、勿論大切な“日本語仲間”であり、“旅仲間”だ。

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北欧出身のノッポさん(仮名)はいつも飄々とした雰囲気だが、場の雰囲気を乱すことなく、いつも何となくそこにいる、という感じ。寒い地域の出身者のくせに、人一倍寒がりで、数日前、町の電器屋で小さな暖房器具を購入してきていたのには、驚いたが。

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ただ一人、アメリカ・ラスベガス出身の老人“ジョン”だけが全体から浮いてしまっていて、「おれ、団体行動嫌いだから。」的な空気を常に発散しているのが、気になるところ。
事あるごとにナッシュが「ジョ~ン!!」と呼びかけ、絡んでいるが、そのテンションや空気も気に入らない様子で、寒さ嫌いもあいまって、Tour自体を楽しんでいるという気配が感じられないのが、少し寂しい。

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まぁ、これだけの人数が集まれば、そりゃ色んな人がいるとは思うけど。
でも、様々な国の様々な個性が集まったこの即席集団がそれなりにまとまった雰囲気を得ているイチバンの要因は、やはりガイドの“テンジン”の存在が大きいのだと思う。

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偶然にあたったガイドとしたら、これ程素敵なヤツはいないんじゃないだろうか。ここまでの旅路の中では体調を崩す人も続出したのだが、それぞれの悩みや相談に、いつも親身になって応えてくれる。英語のアクセントが強いのだけが2人にとっては問題だけど、真剣にチベットの事を語ってくれる“ガイドとしての態度”には好感が持てる。

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いつも1人でハシャイでいるナッシュに対しても対応や返しが非常に上手くて、それが彼(ナッシュ)を最終的にグループから「浮きあがらせなかった」のだろうとも、思うのである。

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因みに今日は、行く先々で絶景が相次ぎ、真っ白な雪に覆われた大地の上ではみな、子供の様にハシャギまくっていた。素晴らしく透き通った湖の畔は、数年前に訪れたボリビア・ウユニ塩湖周辺の景色を連想させる。こういう高山地帯の風景と言うのは、南半球でも北半球でも、どこか似てくるものなのだろうか…。

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