02 February, 11

「Shangri-La。」

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香格里拉(シャングリラ)。…そんな名前の町が、中国に実在しているということすら、2人は数週間前まで知らなかった。伝説の理想郷(ユートピア)。永遠の楽園…。

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もともとシャングリラは、イギリスの作家ジェームス・ヒルトン1933年の著作『失われた地平線』の中に登場した“空想上の理想郷”である。しかし、その内容と設定を考察した中国政府が「シャングリラは、このエリアがモデルである。」と主張し、結果、元々は別の名前を持っていたこの町を、2002年に現在の『香格里拉(シャングリラ)』という名称に変更した…というのが、事の経緯であるらしい。

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漢字表記も、かなり強引な当て字の様に思えるが、実際に中国語読みで読むと、香格里拉は「シアンガーリーラー」という風になるようである。
昨日の夜に昆明を出た2人は、約11時間後の今日AM9:00過ぎに「シアンガーリーラー」のバスターミナルに到着した。そして、バスを降りた途端、刺すように冷たい空気が2人の肌をさらっていった。思わずブルッと震えた身体を両手で抱えながらも、急いでバスのお腹に積まれた荷物を降ろす。重たいバックを慣れた手つきで肩に担ぎ上げ、誰も歩く人のいない朝の大通りへ。天気は快晴で、真っ蒼な空には雲ひとつない。そんな朝の陽射しが造り出した『バスターミナルの陰』の中で、寒さに凍えながらTaxiを探す…。

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今日は、中国の正月の前日。つまりは「大晦日」である。多分そのせいなのだろうが、この時間になってもターミナルの待合室やチケット受付は全て閉まっており、2人と同じバスから降りた乗客以外には、どこを見回しても人っこひとり歩いていない。それでも、商売熱心なTaxi運ちゃんたちはきっちりとバス到着時刻を目がけて車を飛ばしてきてくれていたようで、朝の寒さにやられていた2人は「助かった…。」と、乗り込んだ車内で一息つく事が出来た。そこからは、あらかじめ調べておいた旧市街内のYouth Hostelへ。10分ほどで到着した宿の部屋に荷物を降ろし、簡単な朝食(インスタントMilk Teaと、市販のパウンドケーキ)を胃に流し込んで、早速、『実在したユートピア(理想郷)』を巡り始めた…。

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午前中は、「雲南のポタラ宮」とも称される巨大チベット仏教寺院『松賛林寺』を訪れた。17世紀に建立されたオリジナルの寺院は、20世紀の文化大革命などによって破壊されてしまったようだが、その後再建が進められ、今では再び、かつての壮大な姿を取り戻しつつある。実際、2人の持っている“数年前のガイドブック”に掲載されている写真と見比べても、その姿は見て分かるほどに変わっているのである。…それにしても、やっぱりチベット仏教の寺院建築物は、イイ。何がイイって、それはやっぱり、“外観”ですね。内部の宗教的な部分は、よほど熱心な仏教徒でない限りはそう長く見てられるものじゃないと思うけど、寺の見栄えには、常に心を惹きつけられる。この、チベットの空の抜けるような青さが、寺の良さをさらに引き立てているんだろうなぁ。

コメント

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