03 February, 11

「Chinese New Year。」

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今日は、中国のお正月。つまり昨日は『大晦日』だったわけで、2人が泊っているYouth Hostelでも、特に従業員の若者たちが酒を飲みまくって、グダングダンになっていた…。

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受付ロビー前の共用スペースで次第に酔いつぶれていく彼ら(彼女ら)を横に見ながら、特に酒を振舞ってもらえるわけでもなかったけれど、たまに彼らと片言の会話をかわしつつ、何だかんだで夜中まで起きていた。午前零時の日付が変わる瞬間には、窓の外の真っ暗な夜空にかなりの数の花火が上がっていた…ようである。しかし、外気があまりにも冷た過ぎた為、部屋の中から屋根の上に見え隠れする派手な光をチラチラと覗き見るぐらいで、あとはひたすら、夜空に響き渡る爆発音をバックグラウンドMUSICに宿のバカ犬(チビ)と遊び、格闘してた。

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そんな折、宿の人々とはあまり大した会話をしなかったものの、Jと同じ男子ドミトリーに泊っている上海出身の学生2人とはかなり話しこむことになった。その会話の大半は、上海組のうちの1人“チャールズ君”による『日本についての質問あれこれ』に応える的なやりとりで、『大の日本好き』であるという彼の熱意に終始、押されっぱなしという、展開。

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「日本の武士道は素晴らしい。僕は武士の生き方をとても強く支持しています。」
「数年前、両親と日本に行った時のことが忘れられません。日本は、古い文化を上手く残しながら、そういうモノにしっかりとした敬意を払っていると思う。中国は長い歴史を持っているけれど、大事な文化を無下に破壊し続けてきた。日本は本当に偉いです…。」
「僕は野球が大好きで、自分もプレーするのですが、日本の野球をたくさん見ます。イチローはとても素晴らしい選手ですね。」
「日本では、色々な場所で鳥居を見ました。時には沢山の鳥居が並んでいたり…。あれは一体、どんな意味があるのでしょうか?」
…などなど、恥ずかしくなるくらいの“日本賛美”から、日本文化に対する素朴な疑問まで、その好奇心は留まる事をしらない。こちらが答えに詰まってしまう事も度々で、傍らに開いておいたラップトップをWiFiに繋いで、Google検索しながら何とか凌いでいた感じ。場合によっては、2人合わせたこちらの知識より、彼の方がよっぽど日本のことを知っているなぁ…と、しばしば感心させられてしまったのであった。

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最初は正直、「中国人は日本人のことをどう思っているんだろう…。」と、多少の不安を心に抱きながら入国してきた中国であったが、ここまで、何処の町にあっても、不快な思いをした事は一度も無い。それどころか、こちらが日本人である事を告げると、笑顔で歓迎してくれる気配の方がよっぽど強いのである。意外というか、何と言うか…中国の人たちって、皆とても親切だし、かなりフレンドリーである。

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…ただし、先日訪れた九塞溝のホステルで働いていた日本人“トクさん”の話しによれば、「普段は日本人であることで不利益を被る様な事はないが、たとえばその場に誰か1人でも日本に批判的な感情を持った人がいた場合、それに影響されて他の人々も敵対的になり、それが一気に爆発する場合があるから、そういう事にだけは気を付けた方がイイ…。」
…なんてことを言っていたりもしたのだから、まるっきり親日的な意識だけが中国の全てでないのは、確かだろう。でも…。

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何となく、日本人が中国人に対して抱いている“気分”とか、報道で伝えられる批判的な情報なんかは、本当の中国の姿のある1部分しか捉えていないように思えるのである。
今日も、MSNでニュースを見てたら『長友のインテル移籍に、中国人は大ショック!?』的な話題が載っていたけれど、そんな雰囲気は、絶対的にこちらでは感じられない(特に、これまで旅してきた中国西部では)。この前、たまたま知り合った中国人の若者と話していた時も、彼から「この前のアジアカップ、日本はとてもイイ結果を残したね。おめでとう。(笑)」という言葉をもらったし、その態度に不自然なところは全くなかった。 基本的には、日本人の大部分が他国人に対して寛容であるのと同じレベルで、中国の人々も僕らに対して“寛容”であり、逆に言えば、そこまで特別な関心を抱いてはいないんだと思う。

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さて、そんな大晦日を経て迎えた正月初日、2人はバタバタと旅支度を整えて再び移動をしたわけだが、この『麗江行き』のバス手配に、思いの他たいへんな手間が掛かってしまった。その最大の理由は“今日が正月だ”ってことで、例年は正月でもバスは動いていたようなのだが、今年はバスのドライバーたちが仕事を嫌がったのか、全面的に運休となってしまったのである。普段なら、「じゃぁ、動くまでここで待つしかないかぁ…。」と余裕を見せられるのが2人のような長期旅行者の利点であるわけだが、今回ばかりはVISAの期限切れ問題が間近に迫っている関係上、そう悠長に構えてもいられないのである。
「7日の昆明~桂林の列車チケットは既に予約済みだし、麗江には出来るだけ長くいたいと思ってたんだけどなぁ…。」と、途方にくれながら考えていたところ、これもやはり同宿の韓国人女性“ミジョン(Mと同ドミ部屋)”から、思いがけない提案を投げかけられた。
「私、今日道端で地元のツアーバスをヒッチハイクしたんだけど、そのバスの運転手が、あした麗江(リージャン)に移動したいならそのバスに乗っけてくれるって言ってるの。もし良かったら、2人もそれに便乗して麗江に行かない?料金は60元だから、そんなに悪い話じゃないと思うんだけど…。」
普通の路線バスで移動しても1人50元(≒650円)は掛かるのだから、10元足すだけで明日中に移動できるのなら、これは確かに悪くない話である。
「じゃぁ…、いいかな、僕らもそれに便乗させてもらって!?」
話は決まり、そのまま麗江(リージャン)へ。とはいえそのバスは地元中国人用の「Tourバス」なわけだから、途中にいくつかの名所巡りを含んでおり、そのたび3人はバスの中で待つ事になったりで、結局麗江についたのは出発後7時間ほど経ったPM6:00過ぎであった。狭い車内と長時間移動で多少疲れたけど、とりあえず一安心。それにしても、夜の麗江の雰囲気は凄かったなぁ。まさに、『千と千尋の神隠し』の世界、そのまま。これから数日間の滞在がたのしみ、楽しみ。

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