「蘇州号」
今回の船旅は天気に恵まれ、航海中の揺れも少ない。船酔いなんかも心配していたのだが、ここまでは非常に快適で、想像以上に素敵な『帰路』である…。
…でも、同乗した日本人女性から訊いた話では、「天気が荒れると波がすごくて…。前の時はもう、あまりの揺れと大波で、本当に死ぬかと思いました。」…なんて言ってたりもしたから、この穏やかな海を行く旅路は「運が良かったのだ。」と言えるのかもしれない。
この船に乗っている乗客はそのほとんどが中国系の人々で、皆、里帰りやら何やらの理由で航路を利用し慣れている感じがある。中に数人だけ外国人Backpackerの姿も見かけたがそれは本当に例外的で、2人のように終始“ハシャイでいる”気分の客なんてのは、他に1人もいなかった。その分、ロビーもカフェも落ち着いた雰囲気だから、船内での時間はとてものんびりとしたものである。本を読んだり話をしたり、食事をしたりしているうちに、フと気が付いたら航海2日目の今日も、いつの間にやら夜になってしまっていた。
…すると、いつだかレストラン横のバーが開店し、常連風の中国人客たちがカラオケで日本の演歌を歌い出すのである(笑)。みんな、在日の方たちか“留学生”だったりするのでしょう。音割れの激しいマイクを通して聴こえてくる懐かしい『サライ』という曲の、少し音程が外れたメロディーをバックグラウンドMusicにして、2人はデッキで夕食のカップヌードルを啜っていたのであった。
明日は、AM9:00に大阪港へと到着予定です。