21 February, 11

「これから。」

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夕方、再び川沿いの遊歩道を歩く。今日は平日だからか、週末だった昨日までよりいくらか人出は少ないようだが、それでも賑やかであることは変わらない。ここでは、中国人でも地方出身の“観光旅行者”が多いようで、みんな嬉しそうに記念写真を撮ったり、とにかく素敵な笑顔と“幸せな気分”がそこらじゅうに漂っている…。

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後ろを振り返ると、クラシックな建物の間に延びる狭い路地の上空に、真っ赤に燃える大きな太陽が静かに沈んでいくのが見えた。あの方角には2人がここまで通って来た旅の道程があり、それはチベット自治区やネパール・インド、そしてヨーロッパやアフリカへと通じているのだ…そんな事を考えてしまうのは、いよいよ終わろうとしているこの旅に対して、「後ろ髪を引かれる思い」が心の中にあるから、なのだろう。特に夕陽が沈む時間帯ってのは、そういう郷愁を誘うものなのである。しかし、誰だっていつまでも“あの日、あの時”を思い出してばかりは生きられない。それは、こうして西の空に沈んだ太陽が、明日にはまた東の空から登ってくる…という事実と同じくらいに明らかなことである。
とすれば、日本に帰ってから始まる“これから”の日々を、2人でどうして楽しみ続けていこうか…。やりたいこと、興味のあることはそれこそ☆の数ほどあるし、そういうものを少しづつ実現していけるよう、頑張っていこうとは思うのだけれど、問題は2人とも『金を稼ぐ才覚』がなく、あるのは『金を使う』才覚だけだということ。まぁ、別に夢の実現への最初の段階から金がある人なんて少ないだろうけど、この4年間で本当にスッカラカンになってしまった分、「何から始めるにしても、稼がないと話になんないよなぁ。」という結論に最後は達し、必ず憂鬱な気分になってしまうのであった。…街に暮らしてると誘惑があまりに多すぎるから、例えば「山籠り」的な仕事とか、島での仕事とか、最初は辺境に隔離された方がいいのかも、なんて考えてみたり!?…どうも、これという結論が出ないまま、帰国することになりそうな雰囲気ですね…。

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しかし、そんな極貧状態の2人ではあるけれど、どんなに使えるお金が少なくても、今のところ「毎日が楽しい。」というあたり、本当に幸せだよなぁとも、思う。これだけ楽しく暮らしてる貧乏夫婦も、他にあまりいないんじゃないかってくらい(笑)。そういう、人生の全ての要素を楽しんでいく気分だけは、“これから”もずっと持ち続けていたいと思う。

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『箸が転がっても楽しい。』じゃないけど、些細な事を幸せに思えるようになったのは、こういう旅をした1つの“成果”かもしれない。安宿のシャワーから“ちゃんとしたお湯”が出るだけで「最高だなぁ。」と思えたり、トイレに紙が備え付けてあることが「幸せ。」と感じられる…みたいなこと。

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マックの珈琲を飲める瞬間は『至福』だと思えるし、読む本が手元に1冊あるだけで、ワクワクした時間を過ごすことができる。その2つが一気にそろったら…もう、そこでは何も言う事はない(笑)。布団(ベッド)の上で寝られる喜びや、朝日・夕陽を見て過ごす日々の素敵さ…。些細な日常の中にあふれる“小さな魅力”を、写真におさめることの喜びも、この旅を通して知ることが出来た『幸せ』のひとつだろう。
そして、自分の足や身体で稼ぐことができる確かな『幸せ』が、この世界にはこんなにもたくさんあるんだ…ということも、2人にとって大事な発見だった。
例えば、朝日はそれだけでとても素敵だけど、苦労して登った山の上で見るそれは、いつもの何十倍という感動を与えてくれる。山登りをしている途中、疲れた身体に沁み入るチョコバーやミルクティーの美味しさもまた、言葉では表現出来ないものである。

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そんな事を考えている時、最後にやっぱり思うのは、『2人でいられることの幸せ』かなぁ。旅の最中、ワーホリで仕事してる時も含めて、トイレとシャワーを例外として除けば、ほぼ24時間一緒にいたわけだが、そこにはもう、一点の曇りもなく「毎日、楽しかった。」という思い出しか残っていないのである。途中、ケンカもたくさんしたはずなのに(実は、ついさっきも…)、そういう感情って結局は、2人ともほとんど覚えていない。どこに行くにも、何を見るのにも「一緒に見たい。一緒に感じたい。」と思うってしまうし、それを4年間も叶えられ続けていたのだから、これは『幸せ』以外のナニモノでもないだろう。
これからも、変わらず。何をするにせよ、一緒に歩んでいきたいと思っています。
“家族”も増やしていかないと(笑)。旅は道ずれ。…んっ、そういう事なのかな!?…

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コメント

いよいよ旅が終りに近づいているんですね。

私も行ったことのある土地で懐かしかったり、
行ってみたいけれど行く機会のなさそうな場所等、
様々な世界の様子が伝わってきて、まるで自分が
旅しているかのように楽しかったです。

ありがとうございました&
blog、最後まで楽しみにしています。

世界旅行したサイトの人の千秋楽のアーティクルを読むと時々感じるのですが、なんか、お二人のコメントも、だんだん聖なる者の発する言葉のような気がします。
何かをやり遂げたという感覚は帰国すると、必ず芽生えます。
旅を完結させたというプラウドは生涯の宝だと思います。

もう帰国されてますかね。
サハラ砂漠で出会ったときにすでに半年以上旅をしていたじゅんさんももさんを羨ましく思いましたが、まさか自分たちが帰国した後も3年以上旅が続いていたことはオレにとって夢のようでした。なんでオレ自身も夢が覚めてしまう感覚をもっちゃいます。
旅している時間は関係ないのかもしれませんがお二方の旅でもまだまだ行きたりないところがいっぱいあるって気持ちはわくわくさせてくれます!
オレも早く旅立ちたい!

katoくんへ。

最後まで応援、本当にありがとう!

おかげさまで、無事に帰国することができました。

とはいえ、まだまだ旅は終わりませんよ(笑)。

長い旅は当分出来ないかもしれないけれど、旅人の気分を引きづりつつ(笑)、楽しい日常生活を『旅気分』で送っていきたいですね。

ブログも、ちょくちょくアップし続けるつもりです。気が向いたら、覗いてみてください。

またどこかで会える日を楽しみにしています。
ノリコさんとこ集合、とか。

menouさんへ。

コメント、ありがとうございます!

無事、日本に辿り着きました。
どれだけ上手く「伝えられて」いたのか、
不安なこともたくさんありましたが、
menouさんのように楽しんでくれている人が居ると思うと、とても励みになるし、嬉しいです。

世界の旅記録はとりあえず途切れることになりますが、その後もブログは更新していこうとおもっています。いつでも、旅を感じていられるように。

そんなわけで、乞うご期待(笑)。

hirotaさんへ。

いつも、応援本当にありがとうございました。

hirotaさんの言葉にそそのかされて(!?)ベネズエラの山奥に飛び込んだ時の、浮き立つような気分を昨日のことのように思い出します。

あれもまた、本当に旅の醍醐味を感じる道程でした。

色々あった4年弱でしたが、2人でそれをやり遂げたということには、何となく喜びを感じています。

帰国したものの今はドタバタと落ち着かない日々ですが、是非是非、会って飯でも食いましょう!!

アドバイスをいただきたいことも、色々ありますし…(笑)。

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