25 February, 11

「ジュゥジュゥ。」

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今日も大阪は曇り模様。気温もいくぶん下がり、外に出た途端、吹く風が指先や耳たぶを痺れさせる。そのわりに我らが安宿の部屋はとっても暖かく、昨夜もグッスリと『快眠を貪る』事が出来た。

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新今宮駅のすぐ傍。道路向かいに職安を望む好立地(!?)に建つこのホテルは、多分、職探しをしている方々によく使われる宿なのだろう。建物内の廊下やエレベーターですれ違う宿泊客の中には「住んでる感丸出し」なタイプのオッサンやオバちゃんも多数おりますが、一方で関東や他の地域から遊びに来た大学生風の若者もいたりなんかして、全体としては何やら微妙に怪しげな雰囲気を醸し出している。

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しかし、2名1室2500円という格安料金で部屋にはTVが付き、男子浴室は『屋上展望風呂』という豪華版なのだから、貧乏旅行者的には何の文句もない、正真正銘の“快適宿”である。4畳半というミニマルな空間も『欲しいモノに手が届く』便利さがあり、窓から見下ろす(部屋は9Fにある)大阪の町に、妙な親近感が生まれてきちゃいそうな気分である。

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昨夜は近所の『ほっかほか亭』で買ってきた弁当を夕食にしたのだが、狭いタタミ部屋で“タルタルのり弁”を食いながらTVに映る芸人さんたちのハイテンショントークを聞いていたら、「何か、日本だなぁ、これ。」…と、ここでもまた1歩、現実の生活に近づいたような、嬉し寂しい気分になった。

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そんな、大阪滞在・第2日目。『喰いもん』を求めて、再び町を彷徨い歩くことに…。

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梅田・阪神百貨店の地下で“イカ焼き”やら“焼きそば”やらの安くてジャンクなメシを楽しむと、その後は最近OPENしたという「日本最大(いや、最大級?)」の書店を訪れ、3時間くらいそこに居座ってしまった。

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久しぶりに帰って来た日本だから、情報が溢れる本屋のフロアーが2人とも面白くって仕方ないのである。まず雑誌を読み漁って、その後は新書やArt Bookを眺めたり、旅で気になったTopicを調べたり。3時間と言わず、もういくらでも立ち読みを続けていられる気がする。まぁ、買う予算も無いしね。

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エンドレスで続いてしまいそうな“読書”を何とか切り上げると、その後は地下鉄で『心斎橋』に移動。南堀江周辺の地域を歩き廻りながら、ここでも『現在の日本』を知るべく、洋服や雑貨など、自分たちが気になるお店を端からシラミ潰しに覗いていった。

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いつ帰って来ても思うけれど、日本は“世界一”物が豊富だと思う。それも、クオリティの高い“良いモノ”ばかり。そうなると、他の国では「良いか、悪いか」又は「好きか、嫌いか」だけで判断出来ていたところが、判断基準はもっと複雑になってくるのである。

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例えば、「この商品は良く出来てるけど…、この店(ブランド)が売ってるのはちょっと嫌かな。」とか。同じモノをTRUCKみたいなトコロが作ってたら、欲しくなるかもしれない…みたいなこと。まぁ、良く出来ていても好きじゃない商品と言うのは、大概「流行りに乗って作った感のある、ショップオリジナル商品」みたいなモノだから、そういう品物は「時間が経つと飽きる」という、経験的な考え方も影響しているだろうけど。

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長く『単純な世界』を旅してきた分、そういう複雑さがドっと押し寄せてくる日本の街の“豊かさ”を前にして、心身共に疲れさせられてしまった。こんな豊かな文化の中では、例えば誰かが『Simple Life』を謳ってみても、それを実現するには結局、非常に複雑で大変な努力が必要になることだろう。ある種の国では、生きているだけでもう、いくらでも『Simple』になれるのだけれど…。

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そんな風にして身体が疲れてくると、腹がグゥグゥと鳴りだしてきて、宿の近所に帰ってくるやいなや、一目散に『大虎』という名の、小さな焼肉屋さんに飛び込んだ。ここは、昨日の夜にたまたま見つけたお店で、中から漂う肉の素敵な“香り”と“ジュウジュウ音”に一発でやられてしまい、「明日は絶対、ここで食べよう!」と、2人で密かに決意していたのだ。

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カウンターだけの小さなお店。1席づつに用意された『ミニ鉄板』でそれぞれ勝手に肉を焼いて食べるという方式で、肉体労働終わりの兄ちゃんたちなんかが次々に暖簾をくぐっている。2人も、ちょうど空いたばかりの2席をタイミング良く確保し、ビールと共に注文しておいた待望の“ハラミ”と“豚バラ肉”を焼き始める。網から立ち昇る香ばしい匂いに、唾液が止まらない状態である。これはもう、見るからに「ヤバい」(笑)。

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言うまでもないことだけど、久しぶりに食べた焼き肉は最高に美味しかった。世界中あちこちで肉ばっかり食べてたくせに、焼き肉の美味さにはやっぱり感動させられる。これは、舌に沁み込んだ『味の記憶』とかが影響しているのだろうか。店のオバちゃんが「ウチの大盛りは、かなり多いよ。」と言っていた大ライスも、肉汁と共にペロリと平らげてしまいました。御馳走様。とっても美味しかったです。

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