「Run Away with Fun。」
京都にやってきた。晴れ。青空に浮かぶ白い雲の『モクモク感』が気持ちイイ。
ここでも、大きな荷物を抱えての電車移動で2人はかなり人目を引いたが、日曜日の朝ということで通勤ラッシュがなかったから、まだ助かったなぁと思う。大阪駅から京都駅へと向かう電車の静かな揺れに身を任せている内、開いた文庫本に並んだ文字が少しづつボンヤリと霞んでいって、いつの間にやら眠ってしまっていた…。
お昼前、目的地に到着。京都駅の巨大で悪趣味な建築物を通り抜けると、事前に調べてあった番号のバスに乗り込み、予約してある宿へと向かう。『月光荘』は沖縄生まれのBackpacker宿で、ドミトリーが1人2000円、個室だと2名1部屋で5000円である。大阪の宿に比べると割高だが、土地柄を考えれば、これ以上の安値は望めないのだろう(探せばもっと安い宿もあるだろうけど、この宿自体にも興味があった為、ここを選んだ)。
今回、ここには1泊だけの予定で、明日の夜行バスで横浜の実家へと戻る予定だ。今まで背負い続けてきた重たいBackpackを降ろす日が、いよいよ近づいてきた感じ。なにはともあれ、『放浪の日々』の終わりは間違いなく、横浜に到着する“明後日”となるだろう。
それにしても…。本当に長い間、このBackpackに入る荷物だけで生活をしてきたんだなぁと、感慨深い気持になる。ここのところそんな『振り返り』的な話ばかりが浮かぶけど、思ってしまうものはまぁ仕方がない。そんな、限られた荷物で生活する日々というのは、もちろん不便な時もあったけれど、同時にまた“喜び”も多い日々だったんじゃないかと思うのです。
持ってるモノが少ないから、新しいモノを手にした時の喜びは、それがどんなに安くて小さなモノであっても、日本にいる時の数倍大きい。そして、限られた“モノ”を長く大事に使う喜びも、旅の中では日本で生活している時より強く感じられたと思う。
何せ、どう考えてみても、2人にとっての『Grand Tour』は、終始、幸せな旅路であった。
4年前、働いていた職場と仕事に対して疑問を感じていたJにとって、ある側面から見ればこの旅立ちはある種の「逃げ道」でもあったんじゃないかと、今になって思えば感じられたりもするのだが、そうして「逃げた」おかげで見えてきた風景が確かにあったし、なによりその「逃げ道」は、それ自体が本当に楽しく、有意義であったと思うのである。
こんなに便利で快適な国であるにもかかわらず、日本で暮らす人々の中には、心の病を抱えていたり、様々なプレッシャーにストレスを感じ、追い込まれながら生きている人もいるようだから、『そういう時には、“旅”に逃げちゃえ!』…と、声を大にして言いたいくらいだ(自分たち自身は、元々そんなに病んでいたワケじゃないけど)。
旅が人生観や人格を変えてくれるとか、そんな風には全く思わないけれど、この世界には様々な価値観があって、様々な生き方があるんだということを知るのは、なかなか素敵なことである。生き方は1つだけじゃないし、失敗しても、色んな“やり直し方”がある。それは、人に言われるだけじゃ理解しづらいことで、だけど、こういう旅の中で様々な人々や生活を目にしていると、気付かないうち、自然と少しづつ「身に沁みて」くるものじゃないか…と、思うのです。
2人にしても、旅を終えて、色々なことが一旦リセットされた状態の今、目の前に見えている風景は、旅の前のそれよりは広く、明るくなっているような気がするのです。…そう見えるだけで、どの方向に進めば良いのかとか、そういうコトの明確なところは、残念ながらまだ…ですが(笑)。
さて、京都である。宿を出てすぐ近所の定食屋でランチを食べたら、それがとっても美味しくて、一気にテンションが上がってきた。そこから近所の『大徳寺』に行こうと思ったのだが、MAPも何も持っていないから道がイマイチ分からなくなって、通りがかったバスに飛び乗り、四条通り周辺へと移動することになった。行き当たりばったりは、いつも通り。それがインドでもジンバブエでも日本でも、変わらない…というか、変われない(笑)。
四条では寺町通りや御幸町通りなどの“買物通り”を巡りながら、気になってた喫茶店で珈琲を飲みつつ、最後にはまたいつもと同じで、気づいたら本屋の棚の前に立っていた。そして、窓の外に京都の街を眺めながめながら、結局は数時間を立ち読みで費やしてしまったのである。
それにしても、今日の街歩きで感じたのは、京都における外国人観光客(一部は住民かも)の多さ。例えば市バスに乗った時、当然のように「周り中みんな日本人だろうなぁ。」と思っていたら、実はその大半が韓国人で、中国人も少し混じっていたり。様々なアクセントの言葉が飛び交い、中には白人やスペイン系の顔立ちも混ざりあって、何だかやたらとモノ凄い『国際的人種ゴチャマゼ空間』になっていたのであった。
旅をしている時、その土地の人から親切にされる度に、「日本に帰ったら、外国人旅行者には積極的に“親切”をふりまいていこう。」と決意していたのだが、今日のところは、そういう気持ちを示す機会は特になかった。でも、ただでさえ日本は外国人にとって旅行するのが難しい国だろうから(言葉とか)、せっかく訪れてくれた人々に対して、『親切心』ぐらいはうちに秘めずに、しっかり示していきたいものである。
1日めの京都は、まぁそんな感じ。夕食は、節約のために牛丼と半熟卵で済ませました。京都も美味しいモノ沢山あると思うけど、それはまた、次の機会に…。
日本再上陸、おめでとうございます!!
イスラエル入国を、ご一緒したヒロです。
覚えておられますか?
お二人のブログ、ずっと拝見させていただいてました。
ホント、良い旅をされましたね!!
僕は今、モロッコで、この後アフリカに突入します!!
これからも、お二人、人生の良き旅を!!!!
橋本 啓史 | March 9, 2011 6:01 AM
ヒロさんへ。
いつも応援、ありがとうございました!
イスラエルでのあの夜は、本当に楽しい『団らん』でしたね(笑)。
ヒロさんに教えてもらって食べたダマスカスのアイスの味も、忘れられない思い出の一つです。
いやいや、今はモロッコですか。
そこからアフリカ突入ってことは…西アフリカを巡るのでしょうか?
僕らは行けなかった地域だから、羨ましいッス。
今後も素敵な旅を続けてください。
またいつか、何処かの国境を一緒に越えましょう!
J&M | March 9, 2011 12:45 PM
こんにちは。
バルセロナでお会いした山之内です。
随分前ですが覚えていらっしゃるでしょうか?
あの頃からずっと主人と一緒にこのブログを楽しく拝見させて頂いていました。
遂に今回の旅のゴールが目の前ですね!おめでとうございます!
この4年弱、本当に色んな事を経験されたと思います。
そして、実際旅をしていない私達もまたこのブログの御蔭で色んな素敵な場所を知り、楽しませて頂きました。
お二人に感謝、感謝です!
今後も、お二人らしく、素敵な人生をエンジョイされていって下さいね!
又、ブログの方も楽しみにしております。
山之内 | March 10, 2011 4:27 AM
ももぞう、おかえり!
カズ | March 10, 2011 10:54 AM
山之内さんへ。
お久しぶりです。
いつも応援、ありがとうございました。
バルセロナでお世話になってから、
はや3年半近くになるんですね…。
その後も色々なアクシデントが有りながらでしたが、
何とか(!?)無事に日本へと戻ってくることができました。
そして、帰ってきた途端に東北地方を中心とした『大災害』が…。
旅で体験したどんなアクシデントより、大変な事態に遭遇中です。
こちらは2人とも元気ですが、日本はなかなか、頑張りどころですね…。
さてさて、今後の人生プランなどについては、
色々な可能性を見つめながらも、具体的にはまだ『これから』という感じです。
でも、何するにしても、楽しく生きたい(笑)。
いつ何が起こるか分からないこの人生、
お互い、一瞬一瞬を大切に生きていきましょう。
ブログも、引き続き頑張りますよ!
J&M | March 15, 2011 4:13 PM
カズへ
ただいまぁ。
無事に帰ってきたよぉ。
今は地震でばたばたしているけど、
近いうちに会えるのを楽しみにしてま~す。
J& | March 15, 2011 8:57 PM