30 December, 08

「クルマ。」

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ウルグアイに来て以来、町のあちらこちらに“クラシックカー”の姿を見かける。

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ある車はいまでも現役で走っているようだし、そうじゃない車は“見世物”としてのオブジェであるみたい。それらの車は確かに見るからにカッコよくって、いつも思わず写真をとってしまうのだけれど、それはあくまでも観光的な気分によるもの。
そうじゃなくて、2人が本当に魅力を感じるのは、実際、生活の足として活躍しているような、こういうFIATやらPEUGEOTなんかの古いカタチの車たちだ。
特にフィアットは本当にたくさん走っていて、600Sというカタチのものがイチバン人気であるようだ。
メキシコでは、最近までワーゲン・ビートルの古い型のやつが現役で生産されていたという話を以前きいたけど、ウルグアイではこの形のFIATが生産されていたりするのかなぁ?
もしそうだとしたら、新車でこんなカワイイ車を手に入れられるのは、かなり嬉しい事のように思う。
色も可愛らしいものが多くって、道端に置かれた車のフロントウィンドウなんかに「SE VENDE(売ります)。」的な文字が並んでいると、ついつい後ろ髪をひかれてしまう…。
2人とも、別に車に特別詳しくもないし、「車大好き!」的な人間ではないのだけれど、こういう時代の、特に小さなサイズの車には物としての魅力を感じます。

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日本車の、昔の軽自動車なんかもカワイイですよね。
ちょっと前には、そういう昔の魅力的名車を使って移動弁当屋的な商売をすることに、憧れたこともありました。売るのは美味しいコーヒーとケーキだったり、または本当に特製弁当だったり…。

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まぁ、結局は魅力的な車の存在があってこその、“雰囲気重視”な憧れですが。
でも、やっぱりああいうのって、何だか楽しそうに思えるなぁ。出来れば一度はやってみたい。その時には一体何を売るべきか…2人で世界を喰らいながら、日々、頭の片隅で考えていたりもします、実際(笑)。

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コメント

一番上の写真のブルーの車は1964年に発売されたフィアット850、843ccの4気筒を搭載したリアエンジン車です。
上から二番目は1970年代半ば(ブラジルでは1973年に新発売)にデビューしたブラジル製シボレー・シェベットで、同じGMグループのドイツのオペル・カデットをベースに1400cc/60psエンジンを搭載してブラジルで国産化したものです。
他にはフィアット600Sは前記850と同様のリアエンジン車で、ウルグアイでは1968年よりAYAX社(現在ではトヨタの代理店)によって現地生産され、767ccの4気筒エンジンを搭載して長らくウルグアイのベストセラーの一台だった模様です。
1966年、大土地所有制の廃止を巡って都市ゲリラ=ツパマロスが台頭して以来、ウルグアイでは言論の弾圧が高まって社会主義的政治が強まり、1973年からは軍政に移行しましたが、そうした流れの中完成車の輸入が極端に制限され、現地生産が奨励される一方で慢性的な供給不足に悩まされ、フィアット600Sも相当な収入がないと買えないほど高価だったと言われます(戦前や1950年代のクラシックカーが多数生き残っていることからもそれは説明できるだろう)。

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