11 February, 11

「重慶大厦。」

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AM9:00の重慶大厦(チョンキンマンション)は、人出もまばらでとても静か。店のシャッターも閉じているトコロが多く、聞いていた様な『しつこい客引き』に悩まされるような雰囲気もまだ、ない。意外にあっさりとした“入場”に、引き締めていた“気”が一気に緩む。簡単に見つかった“D座”のエレベーターでそのまま8階へと上がると、先日、桂林で英国人のイヴァンから教わっていた“お薦め宿”を目指した…。

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…しかし、ここでもやはり従業員がまだ働きだしていないのか、いくらインターフォンを押しても目当ての宿からは全く応答がない。隣りの部屋から出てきたおばちゃんも「誰も出ない?う~ん、まだ寝てるのかもしれないわねぇ。」…と言っていたが、本当にそういう事なのだろうか…。

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ここ香港に来るまで、中国本土を旅してる時にも何度か感じたことだけれど、こっちの人たちってどうも“朝の動き出し”が遅い気がする。日本で(いや、他の国々でも)AM9:00っていったら、世間はとっくに働き始めている時間だと思うのだが、中国人に限って言うと、どうもそうとは言い切れないようなのだ。

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別の宿をあたってみるか…諦めて去ろうとしたその時、中から玄関の扉がスゥッと開いた。しかし、扉を開けたのは宿の人ではなく、今日Check Outする宿泊客だったようだ。外に建つ2人の身なりを見て状況を察してくれたのか、急いで中に声を掛けてくれた。その後しばらくして出てきたレセプショニストは、完全にそれと分かる“寝起きの顔”で2人の前に立ち、不機嫌な声を投げかけてきたのである。「部屋?2人なら…1泊280HK$だね。」

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280HK$っていうと…日本円にして、約3,000円である。高い。いや、それは2人の様なBackpackerにとって、ということだけれど。ここまでの中国本土での旅路では、高くても1人1泊600~700円で過ごして来れていただけに、やけに高く感じられる額だ。

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「もう少し安い部屋はないの?」…訪ねてみるも、答え方というか、対応が妙にそっけない。イヴァンは「この宿のおかみは、とても親切で愛想がいい。」と言っていた気がするが、目の前のオバはんからはそんな気配は微塵も感じられないのである。

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「安い部屋?…無いねぇ、そんなの。今の時期の香港はどこもこんなもんさ。」
セリフの内容自体ではなく、その言い方に腹が立って、さらには値段が高いこともあり、あっさりとそこを離れることにしてしまった。しかし、かといってその他に目ぼしい宿の“あて”があるわけでもなく…さて、どうしたものか…。

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この建物の中にひしめく安宿の数々を片っ端から当たってみるしかないだろうなぁと、覚悟を決めた途端、エレベーターを降りた1階のロビーで今日初めての『客引き』から声を掛けられた。「部屋を探しているのかい?だったら、俺のところにきなよ。2人で1泊150HK$(≒1650円)だ。どうだい、悪くない値段だと思うがね?」

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相手はどうやら、インド人らしい。連れて行かれた宿の中からも、いかにもインド風な音楽が聴こえてきた。値段も、さっきの半分近い。2人にとっちゃ、まだ少し高く感じるくらいだけど…。

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結局、オヤジの人柄が悪くなさそうだったこともあり、今日一晩はとりあえずこの宿に泊ってみることにした。重い荷物を持ちながらだと「じっくり宿選びをしずらい。」ってのも、早々に部屋を決めた理由のひとつである。ひとまずこの宿に荷物を降ろしといて、あす以降の部屋をゆっくり選んでみようか、と。

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…しかし、いざ宿を出て町を歩き始めると、久々に目にする「洗練された都会の風景」が妙に新鮮で面白く、昼飯を食べるだけのつもりが、まったく『重慶マンション』に戻れなくなってしまった。周囲に建ち並ぶ数々のショッピングモールを興味津々で渡り歩いている内、ふと頭上を見上げてみると、いつのまにやら空が暗くなっていたのであった。

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「今の宿、部屋は狭いし少しカビ臭いけど、とりあえずもう一泊伸ばすしかないかな。明日また新しい宿を探し始めることにして…。」1日の最後に辿り着いたそんな気持ちも、再び直後に覆されることに。外遊びから帰って来た重慶マンション入口付近で、別の客引きに声を掛けられたのである。「150HK$で、イイ部屋があるよ。みるだけでも見てみないかい?」…まぁ、見るだけはタダなんだから、とりあえずついて行ってみるかねぇ…。
そうして下見に行った部屋が、思いの他キレイで広かった(相対的に見て)。室内付のバスルームの雰囲気もまぁまぁで、空気もよさそう。「ねぇ、5日泊るって言ったら、ちょっと割引してくれる?」って、とりあえず訊いてみたところ、
「そうねぇ…、じゃぁ、1泊140HK$にしてあげる。それでどうだい?」と、宿のおばちゃん。受け答えの“感じ”も、悪くない。再び1軒しか見てないけど、勢いで決めちゃおっか、ここに(笑)。
そんなわけで、明日からこの『Capital Guest House』という宿に移ることとなりました。
何にせよ、これで気持ちも軽くなった。香港での日々が楽しみです。

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