16 February, 11

「Macau Dream。」

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マカオの、サイコロの向う側に消えた夢…。

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香港からマカオへは、フェリーでたった1時間の距離。マカオのフェリー到着ターミナルには各ホテル(カジノ)からの『無料送迎バス』が待機していて、2人は事前に「ここ。」と決めていた『Lisboa(リスボア)』というカジノへ向かうミニバスに乗り込んだ。
ここ(マカオ)に来た理由はCASINOだけであり、名物ゲーム「大小」で、旅の最後に一発逆転で“財産”をつくってやろうという、完全な“欲の塊”的目的によるのである。
世界遺産の見所もたくさんあるみたいだけど、そんな場所には全く用はない。バスの車窓からの風景もそっちのけで、2人それぞれ、これから始まる“勝負”に思いを馳せていた。

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『大小』は、サイコロ3つを転がして、出た目の合計を当てるゲームである。3つの目の合計が3~10までなら『小』であり、11~18であれば『大』となるわけだ。当たれば、賭けた金額分のメダルが倍になって却ってくる。あとは、出目の合計をより正確に当てるほど倍率が上がっていくのだが、2人が今回狙うのは、3つの目が揃う『ゾロ目』を当てる賭け方であり、その倍率は26倍、『どのゾロ目か(つまり、3のゾロ目とか、4のゾロ目、とか)』まで当てることが出来れば、116倍という高配当が得られるのである。

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まぁ、まっとうに考えてみれば、こういう『目』を当てることがどれほど難しいかは、当然、理解できるのだが、だからといってここ(マカオ)までやって来て、少ない元金を「2倍」に出来たところで、場の雰囲気は楽しめても、そこに大した『夢』は、ない。
「どうせ数回賭ける分しか使える金が無いんだから、だったら考察に考察を重ねて、ここだと思ったタイミングで“116倍”に掛けるのが、面白んじゃないか。」…と、まぁ簡単に言えばそういう結論に達したわけである。
しかし、何せ初めて実際に目にする“○○のない”ゲームであるから、どのタイミングで賭ければ良いかの“目安”すら分からない(後から思えば、この状態で勢いよく賭けちゃった方が“ビギナーズラック”的な運を引き寄せられたのかもしれない)。
だから、最初はより人の集まっている台を選んで、周りをウロウロして、ひたすら『見』を重ねてみることに。ちなみに元金は合計1000HK$(≒11,000円)ぽっきり。それ以上は絶対に両替しないぞ、と決意して、さらにその大半を“勝負の1発”につぎ込むつもりだ。
もし、10,000円を116倍に賭ければ、勝った時には116万円が2人の手元に入ることになる。

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しかし、いくら『見』を重ねてみても、サイコロの目の出方や大・小の確立に法則性の様なモノは見られない。特に『ゾロ目』の出る確率となると、これはもう、完全な偶然にしか思えないのである。『深夜特急(沢木耕太郎著)』に出てくるような特別な“音”を感じることも出来ず、ただひたすらに時間を浪費し、体力(精神)を消耗していくだけ。
その間、1枚2枚のメダルを試しに大や小に賭けてみたが、勝つこともあれば負けることもあり、数回後には結果的に「負けている」という状態に陥っているのである。
気付いた時に手元に残ったのは、500HK$分のメダルだけ。これで、最終勝負の『賞金』は半分になったが、それでも60万円以上にはなる。ここらでもう、腹を決めるしかないか。

そして…最後はもう、特に何か「研究の成果」があったわけでもなく、単純にしばらくゾロ目の出ていない台で、“こいつ”と決めたディーラーの下、純粋な勘に任せて『3のゾロ目』に全メダルを置いた。さぁ来い、来てみろ、この野郎!?

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…結果は、まぁ誰しもが想像する通り。惜しいというような感覚をも全く得られないバラバラの数字が並んだサイコロの表面を眺めながら、その向こう側に消えた『夢』が、頭の中でも闇の中へと少しづつ消えていくのを感じていた。
こんなに真剣に「金儲け」に来る人って、それ程いないんじゃないかなぁ(笑)。かなり精神力を消耗したけど、真剣に考えた分、やっぱり面白かった。
しかし、「もう一回やれば、もう少し上手くやれるかも。」…なんて思っちゃうあたりが、ギャンブルの怖さですね。財布の紐がフワッと開かれちゃうとういか、思考回路の基準が曖昧になってきちゃうというか…。とにかく、イイ夢見させてもらいました(古い)。

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