30 August, 11

「travel zine vol.5 "AMERICA"。」

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 赤褐色の巨大なモニュメント(石碑)が立ち並ぶ砂の大地のど真ん中で、その間を吹き通って行く風の音に耳を澄ましてみる。すると、その中に混じった『草木や砂の擦れ合う小さな音』が少しづつ耳の奥に届き始めて、自分もその自然の営みの一部になったような、不思議な一体感を味わうことが出来るのである。
モニュメント・バレーは、先日訪れたグランドキャニオンほど多くの人が訪れる場所でもないようで、その敷地内にいる間に「騒がしさ」を感じることは、一度もなかった。どれほど有名なビューポイントに立っていても、そこでは常に、風の音が、草木や砂の擦れ合う音が、二人の耳まで届いてくるのだ。
今日もやはり良く晴れたが、空には刷毛で引いたような薄雲がゆっくりと流れ続けており、それが、静かな砂漠の風景に不思議な疾走感を与えている…。
(travel zine vol.5 『AMERICA』より、抜粋。)

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