14 December, 10

「Taj Mahal。」

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AM6:00起床。窓の外の景色はまだ夜の暗さで、蛍光灯の明りの中で必死に目をこすってみても、全く眠気が覚めてこない。寒いのは昨日の朝と同じだから、前日にきちんと用意しておいた“冬用”衣類をしっかりと着込んで、凍える早朝の裏通りを歩きだした。

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宿の前の道がそのまま「西門」に通じている為、5分も掛からずにチケット売り場前に到着。既に20mほどの行列が出来ているが、そのほとんどは海外からの観光客らしい。「インド人は、こんな朝早くから並びに来ません。来るのは外国人だけですよ。」と、どこかの個人観光ガイドが客に英語で説明しているのが聴こえてくる。窓口があくまでに20分程待たされたが、チケットは無事に購入する事が出来た。この頃には既に空の端が白み始めていて、「早くしてくれなきゃ、夜が明けちゃうじゃない…。」という、西洋人たちのボヤキも聴こえ始める。確かに、早く門の中へと通してくれればいいのに…。

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AM7:00。城内へと入場。ポケットの中に朝メシ替わりのビスケットを偲ばせていたのだが、セキュリティーチェックでNGと言われた。仕方なくその場で全て食べきり、モグモグと口を膨らませながら、急いでタージの見える場所へ向かう。みな、朝一番の人気のない風景をモノにしようと、自然と身体が前に出てしまうようだ。

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2人はいつも比較的“人を苦にしない”写真の撮り方をする為、そこまで急ぐ必要はないのだが、気になるのはやはり光の射し具合だろう。刻一刻と変わりゆく朝の光の、イチバン素敵な部分を見ていたいから…。正門横の入口を通して、向う側に見えてきたTaj Mahal(タージ・マハル)の真っ白な姿。昨日の昼間、町のレストランの屋上から見た時よりは幾分輪郭がクッキリとしているが、それでもやはり、少しぼんやりと滲んでいる気がする。

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この感じ…。「我さきに!」という皆の意識が強すぎて、何だか少し滑稽な雰囲気。とはいえ自分たちだって“良い立ち位置”から写真を撮りたいから、その群集の後ろにくっついて順番が来るのを待つわけなのです、悲しいかな。

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…そうやって順番待ちした“成果”的な写真はあえて載せず、ここでは少しだけ“ハス(斜)”から見たアングルの1枚を。人もたくさん写り込んでるし、ここも十分“メジャーな”立ち位置ですが…。水面に映りこんだタージの姿が、とても美しい。…でも、カメラの性能が良くないからか、画面が少し暗いですね。この前後、遠くから近くから色々な距離感の「お立ち台」にて、似たようなタージをたくさん撮った。完全なるシンメトリーの造形が創り出す世界は本当に素晴らしいけど、正面からの“絵”は、どれもそれほど変わり映えしません。いつもの、みんなと同じタージ・マハル…って感じ。

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こんなだもん、実際…。この中に入って“立ち位置”を競い合っていると、不意に何だか妙に空しい気分を味わったりもするのです。「そんなにガっつかなくても…。」なんて。

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正面からサイドに周りこみ、だだっ広い広場の中央から建物の側面部分を眺める。シルエットとしては、正面から見たのとほぼ同じ。写真の上で建物が歪んで見える辺りが、建物のデカさを物語っている。

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裏側には、昨日2人が対岸を訪れた河「ヤムナー」の朝霧に霞む風景が広がっている。対岸にいる時に感じたのと、こうして間近で眺めるのとでは建物のサイズ感が全然違う。やっぱり、タージ・マハルってのは、もの凄くデカイ。

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それでも、Jが「やっぱタージは馬鹿デカイなぁ。」…なんて思っていた時、Mはその隣で「何だか、思ったより小さいなぁ、タージ・マハル…。」と密かに考えていたらしい。聞くと、「想像では、この3倍くらいはあるのかと思ってた!!」だって。
さらにここで、“Mの誤算ばなし”をもう一つ。この廟(墓)を自分の妻の為に建造した男の名は、ムガル帝国5代皇帝“シャー・ジャハーン”。彼はこのタージ・マハルの河向かいに自分の為の“黒いタージ(黒大理石造り)”を建造することが夢だったらしいが、生前、権力争いの末に実の息子に幽閉され、その夢を果たすことは叶わなかった。死後はその“息子”の手によってタージマハル内、妻の柩の横に葬られたのだが、この“彼自身の墓”の配置だけが、全てがシンメトリーなタージ内に置いて、唯一“シンメトリーじゃない”のである。まぁ、妻の墓が建物の中心にあるのだから、その横に別の墓を作れば自然、シンメトリーは崩れてしまうわけで、「全く、バカ息子のアホな処置のせいで、折角の世界観が台無しじゃないの~!!」と、何故か現世のMがひどく嘆いていたのでした。

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…さて、それはさておいて、昨日の「Baby Taj」を見た時にも思ったけど、アグラーの廟はどれも内部の装飾がとても素晴らしいと思う。例えばここの大理石の中に埋め込まれた花の模様をとってみても、その4cm四方くらいの大きさの1輪の花だけでも30個以上の独立したパーツを使って丁寧に仕上げられているのだという。そんな、“他人の雇ったガイドの説明ばなし”を盗み聞きしながら建物内部の見学を終え、再び外に出てみると、陽射しが更に高くなっていて、風景は徐々に白いモヤの中で霞み始めていた。

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少し離れた場所に戻って、白く霞んだタージと、記念写真。

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こういう色具合も、キライじゃない。

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険しい表情でタージ・マハルを眺めるM。サムライのようですねぇ(Mによる自己評価)。

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こんなカラフルなサリーを来た人々も、いそいそと目前のタージ・マハルを目指す。

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後ろからは、ターバンの男たちもやっぱり急ぎ足でタージを目指している様子。

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緑豊かな、良く整備された前庭。AM9:00過ぎ。この頃には、すぐ傍の風景までもが少しずつ白く霞んできてしまっている。

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正面ゲートを抜けた、外側の広場。ここも広々として気持ちがいい空間。

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物々しい銃器を手にした警官が、暇そうな顔をして辺りを窺っている。傍で寝ている犬の様子が、場の平和な空気を代弁している様でもあります。…とはいえヴァラナシでテロ発生を経験した直後だから、気分的には「しっかり警備してもらわないと!」

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結局、2時間半ぐらいの滞在で、思ったより早く外に出て来てしまった。タージは確かに文句なく美しい建造物だけれど、だからってそう長く見続けていられるもんじゃない。「美人は3日で飽きる。」じゃないが、こういう“美しすぎる”場所の勝負っていうのは、最初の数分で付いちゃうんじゃないかな…。噛むほどに味が出るもの、ではないということです。

コメント

お久しぶりです!!
以前コメントさせてもらったERIです!!
覚えてませんよね!?ワラ

相変わらずステキな旅ですね☆☆☆
そして写真も最高です!!
確実にじゅんぺいサン、ももえサンのblogのFANになりました!!ってかなってます!!ワラ

インドでのテロびっくりしました!!
ニュースで見たんですが、まさかお二人が現場の近くにいたなんて…!
無事でよかったです。。。

これからも身体には気をつけて素敵な旅を続けてください♪♪

毎日blogの更新楽しみにcheckしてます☆

はじめまして。2年程前にスウェーデンの旅行情報を
探していたときにおふたりのブログ拝見しました。
書かれていたニシンのサンドを試してみたのですが絶品で
ストックホルム人の友人もこんなおいしいもの知らなかったと驚いてました!
ふと思い出してブログにまたお邪魔してみましたが、
まだ世界一周されてるようでとっても羨ましくなりました。
Taajはやはり独特でいいですね。
これからも気をつけて世界一周楽しんで下さい!

ERIさんへ。

コメントありがとうございます!

ヴァラナシのテロは本当に肝を冷やしました…。
無事でよかった、そんな感じです。

今は南インドのゴアでゴロゴロしています。
真夏のような気候の中でカレー喰いながら
汗だくになってますが、
数日後には北部へと移動、再びネパールに戻り、
極寒のチベット~中国へと向かいます。

引き続き、ガシガシ旅していきますよ!

おれんじさんへ。

ニシンのサンド、美味しいですよね(笑)。
また行きたいなぁ、スウェーデン…。

ヨーロッパは、いつか「潤沢な資金」を持って
リベンジ旅行をしてみたいですね。

これからもブログ、よろしくお願いします!

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