23 December, 10

「Sunny Day。」

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午後になって2人が到着した場所は、周り中をヤシの木の林に囲まれた小さな、本当に小さな村の、目印が何もないバス停の前。どこかから海の香りが漂ってくるような気もするが、目の前にある水面が“海の入江”なのか、それとも“海に流れ込む川”のそれなのか、今の時点ではまだ判断がつかない。既に少しだけ柔らかくなり始めた午後の陽射しの中、重いBackpackを肩に背負って、とりあえずトボトボと歩きはじめた…。

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昨夜来の“Mumbai(ムンバイ)発の列車の旅”は、まぁ、それなりに順調なもので、同部屋(2等の寝台列車は、6Bedsが1つの狭いコンパートメントに収まっている)のメンバーがほとんど外国人パッカーだったこともあり、安心して眠りに就くこともできた。下車駅への到着予定時刻はAM9:00過ぎだった為、朝も比較的ゆっくりとした“目覚め”で、寝袋をしまって車内販売のチャイを受け取ると、ようやく外の景色に目を向けた。

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今日も天気は気持ちイイくらいの“快晴”である。まぁそれ自体は北インド以来常に変わらないモノのはずなのだが、風景のどこかに、確かな“南国の気配”を感じさせられる。気温も「暑い!」と言うほどではないが、空気の中にねっとりと肌に絡みつく湿気が含まれているのが分かる。でもこの場合は、日本の夏に感じるような「蒸し暑く、気持ちが萎える湿気」ではなく、「胸おどり、心トキメク湿気」である。列車の運行が少し遅れ気味だとはいえ、もうそろそろ目的地「Pernem」に到着する頃だろう。

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インドの列車では駅到着時に車内アナウンスなどは特にないし、到着したホームでも駅名表記を探すのが一苦労(大抵、ホームの最初と最後には看板が立ってる)。そのため、目当ての駅が“終着駅”じゃない場合は、かなり注意深く構えていないと簡単に“乗り過ごし”をしてしまうことになる。2人も、2つ前の駅を通過したあたりからしっかりBackpackを手元に引きよせ、今か今かと待ちかまえていたのだが…。

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ふと、隣りの西洋人が話しかけてきたのに応えて、雑談を始めてしまったのがやはり不味かった。さらには「今の駅、もしかしたら…。」というところで隣りの席のインド人が「ここはまだ違うよ。」と言うのを真に受けて、外を確認せずに話し込んでいたところ、次に到着した駅の名前を見たら、そこは“目的地の次の駅”の名前だったのである。あらら、やっちまったぁ…。「あんなに注意してたつもりだったのにぃ~!」悔しそうな、M。

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とはいえ、過ぎてしまったものはどうしようもない。周囲のみんなに挨拶をすると、とりあえず急いでその駅「Thvim」に降りたち、辺りをさっと見回してみた。この頃には陽射しがますます強烈な熱気を発し始めており、列車から降りた途端、汗が身体中から噴き出してくる。南国の匂い。遂に、南インド。いよいよ「楽園GOA(ゴア)」に到達である。

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そこから先は、ローカルバスを使っての移動となるわけだが、列車の駅を1つ乗り過ごした分だけ目的の村までの距離がしっかりと延びてしまっていて、途中、Mapsaという町での乗継ぎ時間(バス)などを含めて、たっぷり3時間ほども掛かってしまったのであった。

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いくつもの小さな村々を抜け、雰囲気の良いビーチを越えて、ヤシの木の生い茂る林の中の小さな村「Querim(ケリム)」にやってきた。時刻は、とうにお昼を過ぎてしまっている。腹もグウグウと騒ぎ始めているし、とりあえず部屋に落ち着きたい、けど…。ここでは、2人の「友達の友達」が所有している一軒家(彼女は現在日本に帰国している為、家は丸々空いているのである。)に滞在させてもらう事になっているのだが、その正確な場所というのをしっかり聞いていなくて、どうにもあてが分からない。「とりあえず、あっちの方に歩いて行ってみよっか…。」なんて、荷物を背負ったその直後。前からバイクで通りかかったオジサンに何となく道を訪ねてみたところ、「もしかして…Momoちゃんたちかな?」と、ズバリ名前をイイ当てられてしまったのである。この彼が、今日から泊る家の大家“ダンステンさん”であった。何という絶妙のタイミング。まさにGOAの“神秘”です。
そんな彼に案内された小さな家は、白壁がキレイな平屋造りで、寝室・ダイニング・キッチン& バスルームの他、裏にはカワイイ庭まで付いている。これを1日300Rsで使わせてもらえるのかと思うと、自然に顔が綻んできてしまった。今日から年明けまでの10日ほどを、この家を起点に“生活”させてもらうことになる。何だか、楽しくなってきたなぁ。

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