19 December, 10

「Jodhpur。」

1219%20omlette00.jpg


昼過ぎ、Vickyの作るチーズオムレツを頬張りながら、巨大な砦があるはずの方角を眺めてみる。ここからだと、徒歩20分ほどで丘の頂上まで上がれるらしい。これだけ気持ち良く晴れていれば、夕方にはきっと、砦の向う側に沈んでいくまっ赤な夕陽を見る事が出来るだろう…。

1219%20omlette01.jpg

昨夜、Jodhpur(ジョードプル)に到着したのは、PM8:00に近い時間帯だった。既に辺りは真っ暗で、駅からホテルに向かうオートリクシャの上で感じる風がとても冷たく、T-Shirtのまま乗り込んだことを少しだけ後悔した。砂漠の夜は、やはり冷え込みが厳しい。

1219%20omlette02.jpg

選んだ宿は、「Anil Sunrise Guest House」。元々、ガイドブックに“Sunrise Guest House”というのが載っていて、その名前をリクシャのドライバーに伝えていたから、まぁ、「その宿に辿り着いたんだろう。」…と当たり前のように思っていたのだが、実際には“Anil ~”は後者の宿とは別モノで、いうなれば「ケンカ別れした別居夫婦」のような、最近になって新しく出来た同族経営によるホテルである。

1219%20omlette03.jpg

ただ、「前のホテルを追い出された」カタチのAnil(アニル)という“こちら側”の経営者の方が、旅行者にとっては人気があるようで、その人柄を慕って新ホテルの方にやってくる常連客も多いようだ。ただ、到着早々に当のAnilから、長々とそのいきさつについての話を聞かされたのには、正直参った。

1219%20omlette04.jpg

「Sunrise Hotelは元々、自分が経営者として11年(!?)もかけて育ててきたホテルなのに、後から手伝いとして来てもらった“従兄(多分)”に、最後は腕力に任せて乗っ取られてしまったんだ。だから、母親に資金を無心してどうにか新しいホテルを作ったんだけど、こちらの経営が順調だとみるや、今度は何かと嫌がらせをしてくる始末で…。昨日なんか、この、日本人の友達に書いてもらった壁画(屋上の壁に描かれている)の中の、「Anil」と言う文字が夜中のうちに傷つけられていたんだ!(確かに、石か何かで削られて、消えていた。)全く、どうしてこんな事するんだ、あいつは!?なぁ、どう思う?えぇ!?…」

1219%20omlette05.jpg

どうも、この時点でAnilは少し酔っぱらっていたらしく、この内容の話をこの後、何十回も繰り返し聴かされることになったのである。喋っているうちに本人も気持ちが昂ってくるらしく、屋上から数十メートル先に見えている“旧館”の人影に向かって、
「この、ポコ~!!(ポコは、英語で言うところの“マザーファッカー”の意らしい。)」
と叫びまくっていた。初日の“出会いがしら”が、“こんな”なのである。

1219%20omlette06.jpg

屋上に描かれた日本人旅人による壁画を見ても、彼が旅行者から好かれていることは、まぁ何となく想像できるのだが、あまりにも唐突な“激昂場面”に、2人としては少したじろいだというか、多少ウンザリしてしまった。「大丈夫かなぁ、この宿にいて…。」…なんて。

1219%20omlette07.jpg

一夜あけて、今朝、朝食をとりに再び屋上(レストランがある)に上がってみると、昨日の様子とは少し違って、落ち着きを取り戻したAnilが「Good Morning, Sir!」と、強面な顔で人懐っこい挨拶を投げかけてきた。「…まぁ、とりあえずこれなら大丈夫かな…。」

1219%20omlette08.jpg

実際、彼は“根”は本当にイイヤツみたいで、昨日も2人が眠りに就く前、どこかから買って来た大量の花弁を2人のベッドの周りに散りばめて「インド風ハネムーン・ルームだ!」と、粋な計らいを見せてくれたりもしたのである。あれだけ大量の花を買って、多分それなりにお金が掛かったんじゃないかと思う(中には、薔薇の飾りもまじってた)。

1219%20omlette09.jpg

…しかし、それと同時にやはり「ちょっとメンドくさいヤツ」であるのも間違いなく、やたらとこちらに絡みたがる感じが、相手するのに少し疲れたりなんかもするのであった。
悪いヤツじゃぁ、ないんだけどね…。

1219%20omlette10.jpg

午前中から午後にかけて、旧市街の中心部付近をブラブラ散歩して廻ったけれど、Jodhpur(ジョードプル)は“町歩き”するのがなかなか楽しい。入り組んだ細い通りと、広場の周りの活気溢れる市場の雰囲気には、旅人の心を躍らせる何かがある。売られているモノも多種多様で、持ち前の”買い物欲”をそそられる。

1219%20omlette11.jpg

この町で、Jは“インド入国以来”さがし続けていたインド製(?)スニーカーを見つける事が出来た。列車の中でインド人が履いているのを見て、気になり続けていたものである。軍モノの払い下げ用品を売る店に置いてあったから、この靴もまた軍製品であるのかもしれない。最初は、「お前らには売れないよ。インド人にしか売らないんだから。」みたいなことを言われて追い返されたんだけど(何でだかは不明)、負けずに再度その店を訪れ、結局は売ってもらう事が出来た。1足100~150Rs(≒200~300円)を、色違いで何足か購入。しばらくこれを持って歩くのは移動の重荷になるかもしれないけど、それだけ気に入ってしまったということです。それにしても、安いのが嬉しい。ただひとつ、靴の中敷きのプリントに書かれていた「Maximum Retail Price 81Rs」って文字が、少しだけ気になったけど…。

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。