旧市街の中心の、小高い丘の上に建つ砦「Meherangarh Fort（メヘラーンガル砦）」の城壁の上から、西の空に沈みゆく夕陽を眺める。眼下には“Blue City”と呼ばれるJodhpur（ジョードプル）の町並みが広がり、その向こうには低い山々の魅力的な“シルエット”が浮かんでいる…。

最初から夕焼け時を狙うつもりでPM3:30頃に城内に入ったのだが、無料で借りられる“オーディオガイド（日本語）”の説明が面白く、日が暮れるまでの2時間余りを目いっぱい見学に費やすこととなった。この砦は今でもマハラジャの所有物になっており、現在は博物館として公開されている。内部の装飾や空間の造りは、ジャイプルのそれよりも数倍魅力的で、その名が意味する「荘厳な砦」に恥じない、確かな迫力がある。

途中、いくつか通り抜けた王宮の魅力的な広場には、それぞれ素敵な“花飾り”が施されていた。後で訊いたところによれば、今日は誰だか、お金持ちの方々の結婚式がここで挙げられるらしい。設営途中のステージは、コンサート用のものだろうか。その前に設置された客席の数からしても、かなり大きな“式”になるようだ。なるほど、インドのお金持ちってのは、こういうところで結婚式を挙げるのか…。

夕陽の下に広がる、薄い青色の建物が造り出す町並み。まっ赤な陽の色に照らされていても、その青さは消えることなく砂漠の大地を彩っている。淡い色味が、色濃く心に残る。

こういう壮大な風景を前にしながら、挙げる結婚式っていうのはどういうもんなんだろう。2人が4年前に開いたささやかな「結婚披露パーティー」とは、全く違う世界なんだろうなぁ。（夜、時計の針が12時を指す頃には、砦の上に凄い数の花火が上がっていました。…まったく、インド人ってやつは…。）