24 December, 10

「Christmas Eve。」

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Goaで迎えた“Christmas Eve”の、穏やかな昼下がり。ローカルバスをいくつも乗継ぎ、狭いシートにゴトゴト揺られて、“教会の町”Old Goa(オールド・ゴア)へとやってきた。

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2人の滞在しているQuerim(ケリム)からだと、1時間半のバス移動でまずは最寄りの町Mapsa(マプサ)へ。乗り継いだバスで30分、今度はPanaji(パナジ)という「Goaの中心的な町」まで出て、そこから最後のバスに乗ってさらに20分でようやく辿り着くといった、“なかなかの距離”の移動である。

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ここはポルトガル統治時代の首都として栄えた場所で、建ち並ぶ古い教会群は世界遺産にも登録されている。今日がX’mas Eveだからかどうかは知らないけれど、たくさんの外国人及びインド人観光客たちが昼間からこの場所を訪れ、それぞれの祈りを捧げていた…。

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2人も代表的な教会を3つくらい歩いてまわり、そのうちの1つであるボム・ジェズ教会では「ザビエルの遺体(ミイラ)が安置された柩」も見た。それぞれに内部装飾なども面白く、特にこういう日に訪れるにはピッタリな場所だったかもしれない。そうしてひとしきり「聖なる夜への心の準備」を済ませると、再びバスでPanaji(パナジ)へと戻ることに。

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先に書いた通り、PanajiはGoaの中心となる町である。この辺りで最も旧ポルトガル植民地としての面影を色濃く残している場所で、少し歩いてみただけでも、インドの他の地域の町とは雰囲気が違っている事に気付く。確かに、古い街並にはどことなくスペインやポルトガルを思わせるところがある。その小ぶりな町の造りをみて、2人は、数年前に訪れたポルトガル南部の小さな港町「Lagos(ラゴス)」の事を思い出した。

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インドもこの辺りまで来ると、他の地域に比べキリスト教信者の数がグッと増えてくるようである。町に点在する教会周辺だけでなく、通りのあちこちにクリスマスを祝う飾り付けがされ、「キリスト生誕」の場面を模した小さな模型が並んでいる。

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ネパール・インドという地域を旅してきた“感触”からいって、まさかこんなに本格的な「X’masムード」を味わえるとは、考えていなかった。だから、ちょっとした飾り付けを見つけるだけでも妙に心が躍り、ワクワクした気分にさせられてしまう。静かな通りでは、どこからか小さな音でワムの「Last Chrismas」が聴こえてきている。ショーウィンドウのサンタの絵。地元の子供たちのはしゃぎ声…。

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途中、1軒の雰囲気の良いレストランに立ち寄り、Dinner Timeの席の予約をした。ここはガイドブックにも載っている店だから、もしかしたら夜は混み合うかもしれない…そう思っての配慮だったのだが、実際そこまで予約は埋まっていない様子だった。予約帳に名前を書き入れる素振りもなく、「PM7:30ですね、待ってますよ。」という返事だけが、OKのサイン。南インド的な、のんびりとした空気の中にいる。ふと、そんな実感がわいてくる。

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しかし、Dinnerをこの町で食べる事にするとなると、帰りのバスには到底、間に合わなくなってくるのである。仕方がないから今日はQuerim(ケリム)の家に帰るのは諦め、この町のどこかに1泊だけ宿を見つける事に決めた。

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さすがに年末年始のGoaともなると部屋の値段はだいぶ上がっているようで、少しキレイ目なホテルになると、どこも手の出ない料金を提示してくる。最初の数件で2人はどうにも途方にくれてしまったのだが、その後なんとなく入った1軒の安宿で、幸運にも手頃な空き部屋を見つける事が出来たのであった。

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バスルーム付のダブルRoomが、1泊450Rs(≒900円)。1階の、全く外光が入らない部屋だが、よく見ると部屋の隅にはTVまで付いている。室内はとても清潔だし、1泊だけする分にはまったく申し分ない条件である。

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部屋が決まって気持ちがホッとすると、夕方、少し薄暗くなってきた町を、再びあてもなく歩きはじめた。途中、立ち寄った町の中心にある教会などは、様々な色味に変色するライトで建物全体が照らされていて、X’masの祝祭気分を盛り上げている。

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インドのGoa(ゴア)で過ごす、この旅で最後になるかもしれない「X’mas Eveの夜」。
こういう、地味だけど静かに浸み込んでくるような“X’masの気分”ってのも、なかなか良いものですね。それにしても、本当にここ、“インド”なのかな…。

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