13 December, 10

「Agra on the Shoestrings。」

1213%20agra00.jpg

Taj Mahal(タージ・マハル)のある町、Agra(アグラー)にやって来た。この町で観たいのはとにかくそれ(Taj Mahal)だけだったのだが、来るとやっぱり欲が出るもので、その他の名所も廻ってみたくなる。

1213%20agra01.jpg

ここには2泊滞在するから、メインの“タージ”は明日の早朝に行くことを決めた。入場料金が1人1回750Rs(≒1500円。インドでは破格の高さである。)もするので、2泊するからといって何度も訪問するわけにはいかないのである。

1213%20agra02.jpg

毎日、早朝のタージは日の出時刻からの開場となるらしい。この時間に行くのが良い理由は、朝の澄んだ視界の中でくっきりとした輪郭のタージを見る事が出来るってこと。昼近くになると空気がミルキーに霞んでしまい、薄ぼんやりとした輪郭の風景になってしまうらしい。…まぁ、それはそれで幻想的な、見応えのある姿だろうとは思うけれど。

1213%20agra04.jpg

今日、最初に訪れたのは、町の北西に位置する古き砦「Agra Fort(アグラー城)」。写真は、その川沿いの一角から眺めたTaj Mahal(タージ・マハル)の姿。AM11:30。既に風景はだいぶ霞んでしまっている。河の水が少ないのは、やはり今が乾季だからなのだろう。

1213%20agra05.jpg

アグラー城の城壁は全て印象的な赤色の石造りだが、内部の建物には白大理石で造られた建造物も多い。どの建物も造りが精巧で、暗い室内空間を眺めてみれば、そこにある色とりどりのレリーフもまた、楽しい。

1213%20agra06.jpg

庭も丁寧に手入れされており、非常に清潔な印象を受ける。…町の猥雑さはアフリカ並みだけど、この辺りはアフリカと全く違いますね。イスラム的秩序を強く感じさせられる。

1213%20agra07.jpg

ポカポカと暖かな陽気が、庭や芝生でのんびりするのにちょうど良い。広々した空間に対して観光客の数も少なく、城内にいる間はしばし町の喧騒から離れて、とても静かで落ち着いた時間をゆっくり楽しむ事が出来た。

1213%20agra08.jpg

ある広場で寝転がっていた時、2人が食べていたビスケットをねだりに、集まって来た縞模様のリスたち。小さなカケラをあげるとその場でカリカリ齧っているけど、少し大きなカケラを渡すと指の先からパクリと奪い取り、離れた場所に持ってって食べる。その、両手でビスケットを持って前歯で少しづつ食べる仕草が、あまりに典型的でちょっと面白い。

1213%20agra09.jpg

ブッダ・ガヤやヴァラナシでもそうだったけど、この国にはシマリスがたくさん生息しているようである。Jは小学生の時、シマリスを飼っていた事があった。“手乗り”に仕立てようとした目論見は「世話の甘さ」で脆くも崩れ去り、あまりに奔放で懐かないそいつをどうにも飼いきれなくなって、最後には近くの山に放してしまった。小さい時から“家リス”だったのだから、山に放たれたあいつが木の実を蓄えられるようになったとは…正直、とても思えない。子供の無邪気な残酷さで、思えばすごく可哀そうな事をしてしまったんだなぁ。こういう豊かな環境の場所であれば、まだ救いもあったのかもしれないけど…。

1213%20agra10.jpg

Agra Fortを見終えたあと、小休憩を挟んで更にリクシャで移動して、「Baby Taj」とも呼ばれる墓所“イティマド・ウッダウラー廟”を訪れた。因みにリクシャ(トゥクトゥク型)は1日チャーターで借りているので、いくら走っても値段は変わらず。昼前から乗り始めてサンセット見学まで、1台の料金が300Rs(≒600円)なり。

1213%20agra11.jpg

イティマド・ウッダウラー廟の入口の門。奥に、白大理石の本殿(廟)が見えている。

1213%20agra12.jpg

Baby Taj(ベイビー・タージ)。400年近く昔に建てられた、美しい廟の全景。この廟に使われた大理石の透かし彫り技術が、のちのタージ・マハル建造時に生かされたらしい。

1213%20agra13.jpg

内部の装飾はとても状態が良く、絵柄も非常に可愛らしい。小さいが、河原に面したロケーションも良く、なかなか見応えのあるサイトであった。

1213%20agra14.jpg

リクシャの運転手の案内で、もう一か所“無料”で入れる墓所を見学したが、それはそれなりに建物の状態がかなり悪くて、“無料”と“有料”の間にある確かな違いを感じさせられた。その裏手の塀の向こう側、河原に面して広げられた“牛フン肥料”の…畑(!?)。

1213%20agra15.jpg

こういうのは、アウトカーストの人々の仕事なのだろうか。糞の臭いが、鼻をツンと刺す。どこで見ても思うけれど、これって本当に“ハンバーグ”みたい。臭いさえなければ、腹減ってる時なら“美味しそう”に見えると思う!?小さな籠に山盛り積みあげ、そいつを頭の上に乗っけて運ぶサリー姿のインド女性たち。これも商売、なんだろうけど、だとすると“一山”いくらくらいのモノなんだろう。

1213%20agra16.jpg

牛フン畑を見たその脚で、今日の最終目的地「Lake Side Taj(水辺のタージ)」にやってきた。ここは、タージ・マハルの裏手を流れる“ヤムナー河”の対岸にある小さな空き地。

1213%20agra17.jpg

これが雨季なら、この土の大地が一面、河の水で覆われて、その水面にタージマハルの姿が映るんだろうけど…。今の時期は、残念ながらその風景を頭の中で想像するくらいしかできない。乾いた川底を羊連れで歩く地元の子供たち。彼らはあの場所を歩けるけれど、観光客の立ち入りは禁止で、傍では警察(軍隊?)が銃を持ち、怖い顔して監視している。

1213%20agra18.jpg

訪れた人々はみな(たくさんの西洋人やアジア人観光客が来ていた)、張られた鉄条網のこちら側に陣取って、ファインダーを覗きこみながらタージが夕陽に染まる瞬間を狙っている。2人も結局、1時間半くらいその場に座り込んでいたかな。結果的にはタージ・マハルの白大理石はそこまで赤く染まらなかったけど、夕陽そのものは非常に美しくて、肌寒くなってきた夕暮れ時に長居して待っただけの甲斐は、あったと思う。明日は、いよいよあの敷地内へ。世界一豪華な墓の中に収められるのって、一体どんな気持ちがするものなんだろう…。

1213%20agra19.jpg

コメント

いろんな方のインド旅行記を見たり読んだりしていますが
じゅんさんとモモはやはり違いますね。写真の美しさはピカイチですね。インドは長く滞在するのでしょうか?この先は東南アジアでしょうか?ルートが気になります。此れからも応援しています。

ジュンさんへ。

応援、本当にありがとうございます!

今は南インドのゴアに来ていますが、インド滞在は残りあと、わずか…。
数日後にはデリーへと向かい、
そこからネパール~チベット~中国と、極寒の地を旅することになる予定。

今のうちに、太陽のパワーを蓄えとかないと(笑)。

これからもブログ、よろしくお願いします。

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。