14 November, 10

「Trekking(Lobuche~Gorak Ship~Kalapatthar)Day08。」

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寝袋の中から手を伸ばして、傍の窓に掛かる小さなカーテンを開けてみると、ガラス一面にびっしりと張り付いた霜が、その白いベールで外の風景を完全に覆い隠してしまっていた。マイナス20℃対応の寝袋の中に包まっていても、痛いくらいに冷たい外気が少しのスキマ目がけて入り込んできてしまう。AM5:15。既に隣りの部屋からは、忙しそうに身支度を整えるトレッカーたちの控えめな物音が聞こえてきている。この寒さの中で寝袋から出るのはかなりの決心を必要とする作業だが、仕方ない、そろそろ2人も出発の準備を始めないと…。

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Lukulaを出発してから8日目。今日はいよいよ、今回の“エベレスト街道トレッキング”の最終目的地「Kalapatthar(カラパタール)」のPeak(頂上)を目指す、いうなれば今トレック最大の“山場”なのである。ここまで2人とも高山病などに悩まされる様な事もなく、無事に楽しいトレッキングを続けてこられた事を、誰にともなく、心の中で静かに感謝してしまった。狭い部屋の中、2人でヒィヒィ言いながら「極寒の着替え」を済ませると、まだ薄暗いダイニングルームに出て、そこにある大きめの窓から外の様子を改めて確認する。…晴れ。いや、快晴と言っていいだろう。悪くない。空に雲はほとんど無く、周囲の山々の神々しい姿が、白く、キリリと浮かび上がっている。

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ここから往復7~9時間の道程の事を思い、朝食もろくに食べない内に誰よりも早く宿の外へと飛び出した。朝、日が昇る前特有の、凛とした気持ちの良い空気が、着膨れして丸くなった2人の身体をヒンヤリと包み込む。そのくせ酸素はとても薄くて少し歩くだけでも息が切れてしまう厳しい環境なのだから、楽しいのか苦しいのか、とにかく今は「前に進む。それしかない。」という、ある種の“義務感”が2人を前へと突き動かしているような感じだ。

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朝起きた時に感じた厳しい寒さは、日が昇るにつれて少しづつ、着実に和らいでいき、2人が今日の中継Point「Gorak Ship(ゴラクシップ)」に着く頃には、長袖のT-Shirt一枚で歩けるくらいの暑さ…というか、暖かさになっていた。

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この時点で、AM9:00を少し廻ったくらい。山奥の割には大きめのRestaurantでHot Orangeを飲み終えら、いよいよここから、最後の山場「Kalapatthar(カラパタール)」へのチャレンジを開始することになる。目の前に立ちはだかる“砂山”の大きさに、ちょっと気分が昂ったあと、やっぱり少しだけたじろぐ。未だ、天気はこれ以上ない快晴。ゆっくり、1歩1歩を大切に踏みしめて、楽しく元気に歩いていこうか…。

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