01 December, 10

「Balcony Talk。」

1201%20kolkata00.jpg


昨日の日記でも書いた通り、今日はJの代わりにMが腹をこわして、再び部屋籠りしながら過ごす、よく晴れたコルカタ、水曜日の午後…。

1201%20kolkata01.jpg

腹なんて、こわさない人は何ヶ月いても全く平気だったりするようだから、何が悪かったかは別にして、多分2人ともここにきて胃腸が確実に弱ってしまっているのでしょう。Jにしたところで復調したとはいえ下痢は全く収まっておらず、結局屋上(部屋の前)で椅子に座って、1日、本を読んだりしながら日向ぼっこして過ごしてた。

1201%20kolkata02.jpg

この日は「ホテル屋上のとある地点でWiFiが拾える。」ということを発見し、溜まっていたブログの記事をアップするのも、それはそれで良い“時間潰し”になりました。因みに読んでいた本は、夢枕獏の著作「神々の山嶺」。自分らがエベレスト街道でのトレッキングを終えた直後なだけに、これはかなり“実感”の伝わってくる、壮絶な山男の物語である。

1201%20kolkata03.jpg

そんな、晴れた日の屋上テラス、涼しい風が吹く夕暮れ時。何となく前を向くと、一人の老人がこちらに目を向けているのに気が付いた。西洋人であるらしいが、服装からはインドにこなれた感じが漂っており、白い髭と長髪が、仙人のような雰囲気も醸し出している。

1201%20kolkata04.jpg

「日本人の方ですか?」英語で話しかけられ、「ええ、そうですけど…。」と、返事を返した。どうやら、何かこちらに“聞きたいこと”があるらしい。
「実は、ちょっと日本語のことで、教えてほしいことがあるのですが…。」片言の日本語を交えながら話すその老人は、以前、日本(東京都中野区)でも数年暮らした事のある“画家”なのだと、自分の事を名乗った。そして、布製のバックの中から取り出した小さい紙に書かれていた、問題の日本語、というのが…。

1201%20kolkata05.jpg

「輪廻転生」
“リンネテンショウ”。詳しい事は良く分からないが、とにかくこの言葉が彼の“JapaneseFriend”からある日突然、メールで送られてきて、それに返信するにあたり、その言葉の意味を十分に理解しておきたい…と、どうもそういうことであるらしい。

1201%20kolkata06.jpg

彼のその友達とやらが、一体どういう気分の中で「輪廻転生」なんて言葉をメールで送ってきたのかってのもちょっと気になるところではあるが、とにかく今、その言葉が自分の目の前にこうして出現したこと自体に対して、「何だか、やっぱりここは“インド”なんだなぁ。」と、妙な感慨を抱いてしまったのである。

1201%20kolkata07.jpg

この難解な質問に自分がたどたどしい英語で返した答えが、果たして“彼の知りたかった事”だったのかどうか…それは、今でも定かではないけれど、何となく満足げな表情をして「ありがとう。」と言ってくれた老人のその表情を見て、こちらも何となくホッとすることができたのは、確か。そして、その後に屋上の隅っこでカラスや黒ネコに餌をあげながら楽しげな表情を浮かべている老人を目の端で眺め続けながら、「う~ん、やっぱりここは、本当の本当に“インド”なんだなぁ…。」と、再び深く、心の底から納得してしまったのであった。

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。