27 November, 10

「ちょっとピンボケ。」

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早朝の国境越えで、Birganji(Nepal)からRaxaul(India)へ。リクシャを使って国境を越えていく人が多いようだったが、2人は歩いて行くことを選んだ…。

国境の辺りはどこも霧のような白いモヤに煙っていて、その中で朝の光が柔らかく拡散され、ちょっと幻想的な風景をつくりだしている。何だろう、この雰囲気。インドという国が入国者の為に用意した“演出”なのかな…、そんな風にさえ思えてくる。

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空気はヒンヤリとしてやや肌寒いくらいだが、湿気は多くて、自然とベトついてくる感じ。妙な気候だ。そのなにもかもが「インドらしい」様な気がしてくるから、また不思議。
国境審査所でのチェックは簡単に終わり、そこから更に1kmほど歩いてRaxaulの鉄道駅を目指す。バスでPatna(パトナ)まで行く事も考えたが、もし今からでも席が取れるようなら、Kolkata(コルカタ)までの直通電車を利用するつもりである。
一昼夜の長時間乗車を思えばSleeper(寝台車)の席を確保したかったが、いざ、チケットカウンターに並んで確認すると、どうやら直前での寝台車席予約は全く受け付けていないらしい。…それでも、やっぱりここで電車を諦める事は出来ず、結局2等の普通座席で20時間の長旅を行くことに決めた。インドに来たのだ。そのくらいは仕方ない事なのだろう。

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AM11:00、予定時刻を1時間オーバーして、列車はRaxaul(ラクソウル)の駅を出発した。しばらくは座席もそれほど窮屈になることなく、かのインドにしては以外と楽な乗車環境だな…なんて思っていたが、4人掛けの長椅子に座る人数が次第に1人、また1人と増えていき、途中からは6人が狭いシートにキュウキュウに押し合って座りながら、周りに立つ人々からの圧迫も受けつつの、なかなか“キツイ”状況になってきた。

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そんな“人ごみ”がピークに達した時、どこかの駅でいきなり「この車両の人、みんな一度降りてくださいな。」的状況となり、ホームに降りてみるとその車両は何かの理由で封鎖されてしまい、仕方ないから別の車両に移ることに。こんな混んでんのに、席とれんのかな…。不安に思いながら新天地を探していると、「Military」と書かれた警察・軍関係者専用らしき車両から、物欲しげな顔をした2人に“声”が掛かり、何故だかそのまま、その比較的空いている「Military車両」に座らせてもらえる事となったのである。

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ここでは、4人様シートにはきちんと4人しか座っておらず、周囲も警察関係者とあって何だか安心な気配が漂っている。同席のおっちゃんらも気のイイ人たちで、お互い片言の英語を使いながらの小さなコミュニケーションもなかなか楽しい。なんか、インド初日からツイてるのかもしれない。時おり車内に来る“売り子”から「落花生」やら「揚げパン風食べ物」を購入したが、どれも美味しくて、次第に心も弾んでくる。

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窓の外には、まっ赤なインドの夕焼け空。全ての事象に「インドの」と付けたくなるのが可笑しい。そういう気分であり、実際そういう雰囲気なのである。
夜は、列車内で注文を取りに来た係りの人に頼んで、ボリューム満点のThali(ターリー/大皿にのったカレーやら、何やら。)を1皿づつ食べた。1人50Rs(≒100円)なり。安いなぁ。そして、インドのカレーはやっぱり美味しいなぁ。

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タイトルの「ちょっとピンボケ」は、勿論、写真のことです。そんな名前の有名な写真集だか本だかがあったな、と。実際、少しボケた写真もなんとなく面白い(時に、ピントの合った写真以上に)し、独特の雰囲気が出て良いですね。

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