15 November, 10

「Trekking(Lobuche~Dingboche~Pangboche)Day09。」

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AM3:00頃、同宿の慶応大学ワンゲル部OBのみなさん(平均年齢67歳)が、Kalapattharで朝日を見る為、標高5000mの闇の中へと出発していく物音が聞こえた。

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その後も2時間おきくらいのペースで“Somebody”の旅立ちの音を頭の片隅で聞きながら、2人はというと、久しぶりに長い睡眠の後のゆっくりとした朝を迎えたのであった。
昨日まで悩まされていた、高山病予防薬の副作用(!?)である“頻尿”からも解放され、あとひとつ、解消されないストレスがあるとすれば、それは「風呂に入れないこと」くらいなものだろうか。Lukulaを出発して以来、この9日間、一度もシャワーを浴びていない。

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お湯の希少価値が高いこの辺りの村々では、お湯シャワーを使用する為に毎回300RS(≒360円)からの使用料金を支払わなければならないシステムになっている。もし2人が日本から直接Nepalに来ていたのなら「360円くらい、払えなくないでしょ。」と考えるのが普通だとは思うけれど、Backpackerとしての1日の予算を思うと、「宿代1室300円 / メシ代1食300円」の世界の中で、シャワーに360円を支払う事は…悲しいかな、出来ないのである。しかし、毎日、砂ぼこりにまみれながら10日近くも山を歩き続けていると、髪の毛はゴワゴワしてくるし、身体も気持ち、痒い様な気が…。

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水ならタダで使用できるから、朝、手や顔を洗う事は勿論可能だが、極寒の山中で水に手や顔を浸ける行為は、どちらかというと“修行”に近いですね。実際、朝方トイレに行くと、バケツに溜めてある“洗浄用の水”の表面が薄く凍っているのが見えて、体感気温が気分的に5℃くらいはさらに下がってしまうのである。

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AM7:30起床。Rara Noodle Soupで簡単な朝食を済ませると、宿のおかみに別れを告げて、元気よく下山の途についた。今日からは、今までヒイコラ登ってきた道を、その倍くらいの速度で一気に下っていくことになる。快晴の昨日、これ以上ない好条件の下で無事に「Kalapatthar登頂」を達成できたこともあり、今日は心も身体もやけに“軽く”感じられる。

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3時間半で、馴染みのある村Dingboche(ディンボチェ)に到着。AM11:45。昼飯は、Snow Lion Lodgeという宿のレストランで「Roasted Potato」を1皿だけ注文した。ここのおかみには前回訪問時にも良くしてもらっていたのだが、今日も2人が美味しい食事を終えて外に出ようとしていたところ、「これ、良かったら持っていきなよ。」と、メントスを1本づつ手渡してくれたのであった。
この、何もかもが高値で取引されている“観光化された”山の上で、安いメシしか注文できなかった2人に対して、こんな風に親切に接してくれる…その心意気というか、女っぷりが、とても嬉しい。Mは、感激のあまり思わず目から涙がこぼれそうになってた。こういうのがあると、「よし、もうひと歩き頑張ってやろう。」という気持ちがまた、身体の奥の方から沸々と湧きあがってくるというものだ。
そこから先の道程では空が灰色のどんより雲に覆われ、冷たい風が吹く中をひたすら下へと静かに歩き続けることに。晴れていても曇っていても、下りの山道では心に余裕がある分だけ、周囲の景色をより一層楽しめる気がする。誰かが言った「山は、下りる為に登るのさ。」という言葉は、そのままの意味で取っても本当なのかもしれないな。

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PM3:00過ぎ、今日の宿泊地となるPangboche(パンボチェ)という村に到着した。標高は、3950m。今日1日だけで、一気に1000mの標高差を下ってきてしまった。心持ち、空気が濃い様な感じがする。それなりの距離を歩いたはずだが、身体に疲れもそれほど感じない。斜面を下るときに酷使する“ヒザ”だけは、多少悲鳴をあげてはいるが…。

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宿の名前は「Himalayan Lodge」。明日は、ここから一気にNamche(ナムチェ)を目指すことになるだろう。

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