31 December, 10

「暮れ。」

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大晦日の夕暮れ刻。財布とカメラだけ持って、人気のない田舎道を2人、海に向かって歩き始めた。今日は空に細切れの綿菓子みたいな雲が散らばっていて、早い夕方の陽射しが放つ“柔らかな朱色”が、その白くフワフワとした表面に少しづつ映り始めているようだ…。

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本当は、大晦日は隣りのArambol Beachに行って「New Year Eve Party」的なモノに参加しながら年を越すつもりだったんだけど、そういう“騒がしい感じ(予測)”が行く前から何だか煩わしくなってしまい、結局こうして静かなQuerim(ケリム)のBeachでSunsetを眺め、夜はHouse Owner(大家)のダンステン一家に教会へ連れてってもらう事にしたのです。

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QuerimのBeachには大晦日の今日も10人前後の人出しかなく、みなそれぞれの世界に浸りながら、海の向うに沈みゆく夕陽を静かに眺めているようだった。

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2人も「パイナップルシェイク」を飲みながら“今年最後の夕陽”の行方を見送った後、夕闇の中を家へと戻り、簡単な食事を肴にビールで乾杯した。今年も1年、無事に旅を続けてこれたこと。そして、こういう幸運な環境の中で、新しい年を迎える事が出来ることに…。

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気持ち良いビールの酔いで、少し眠気が訪れた頃、ドアの向こうからダンステンの車が鳴らすクラクションの音が聞こえてきた。PM11:20、どうやら今から教会へ向かうらしい。2人も慌てて着替えを済ませると、まだ眠たい頭のままで、ヤシの木林の暗闇の中に停められた車の後部座席に乗り込んだ。車内にはダンステンの他に、助手席に奥さん、後部に娘とダンステンのお母さん(おばあちゃん)が座っている。みな、New Yearのミサの為にしっかりと着飾ってきているようだ。それを見て、自分たちの服装の“普通さ”が少し恥ずかしくなってしまった。着飾る様な洋服を持ってないのだから仕方ないのだが、何となく、「いいのかな…。」って感じ。カーラジオからは、大晦日の夜には不似合いなくらいにアップテンポで機械的な音楽が流れている。教会までは、約5分くらい。本当に近所の、地元の人たちだけが集う“集会”である。ちょっとドキドキするような…2人にとって、教会で迎える初めてのNew Year。既にたくさんの人々が座る講堂の中、真ん中少し後ろ目の席に腰を下ろし、地元の言葉で語られる神父さんの“言葉”を聴き始めた…。

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しかし、神父さんがどんなに有難い“言葉”を話しているとしても、南インドの現地語を話せない2人にとっては何かの呪文のようにしか聞こえてこない。聴けば聴くほど急速に眠気が増していって、眼はシバシバと、今にも閉じてしまいそうである。この時、図らずも2人ともに「小学校の時の全校集会」を思い出していたというのが、この時の2人の心情を最もよく表しているだろう。
会場では女性の参加者が半数以上を占め、彼女たちが身にまとったサリーやドレスの鮮やかな色味が、New Yearを迎える人々の華やいだ気分を代弁していた気がする。1時間以上は続いた神父さんの有難いお話(思った以上に長いなぁ…って思った。)の後、皆に続いて外に出た2人は、そこで出されたケーキとコーヒーをダンステン一家と共に御馳走になり、ご近所の人々や親せきたちとの挨拶を終えて、AM1:00過ぎに家へと戻って来た。ちょっと疲れたけど、何だかとても面白い経験だったと思う。GOAに来て、こんな風にNew Yearを迎えるとは、自分たちでも考えてなかったけど。

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