…出る前、少し迷ったが、結局今日もパソコンを持って外出することにした。行き先は昨日と同じArambol Beach（アランボール・ビーチ）である。

出発前、最近みょうに懐き始めた愛すべき雄犬「アルフィー」をゴシゴシと撫でまわしながら、チャイとパンの朝食を頬張る。パンの切れ端をミルクに浸けて与えてみたが、こういうものは食べたくないらしい。肉が欲しい？…まったく、贅沢なヤツめ。

2人の借りている家の敷地内には、赤茶色の土で造られた小さな家（Rent House？）が少し離れて何軒か建っているが、まだ建造途中なのか、人の気配は全くしていない。いるのは、犬と豚と、リスと小鳥たちだけ。…あっ、あとサルもいるみたい。

いつもと同じバスに乗り、30分後には、隣りのビーチへ。Querim（ケリム）からArambol（アランボール）まで、運賃は1人8Rs（16円）である。

Goaで程度の期間を過ごす旅行者や、地元のインド人たちにとって、最もポピュラーな移動手段は“バイク”で、どの、町や村にも必ず「貸しバイク屋」がある。この前ダンステンさんに訊いたところでは「んっ、免許証持ってきてない？…多分、バイクレンタルは問題ないと思うよ。もし警察につかまっても、免許証どうこうじゃなく、お金渡せばOKだから…。うん、安いし便利だよ、バイク。」…なんてことを話していた。

当然バイクは気になる乗物ですが、何せMが“2輪恐怖症”で、「後ろに乗るにしても、ちょっと…。」なんて言ってるから！？今回は結局、移動はバスで済ますことになった。
それにしても、見てると確かに「あれは、どうみても中学生…いや、小学生！？」みたいなガキがバイク乗りまわしてたりするから、免許はホントにどうでもいいのかもしれない。しかも、原付で2人乗りどころか3人・4人乗りしてるのも良く見かけるし、ヘルメットなんか付けてる人、1人もいない…。ルールを感じさせない、とても自由な風潮ですね。

今日は、昨日と違って朝からよく晴れた。ビーチに降りると、みな開放的に日光浴を楽しんでいる。これは、あるオッサンによる「セクシー」への挑戦…！？

カラフルなパラソルや水着の色が、空の青と木々の緑に良く映える。そんな景色を横目で眺めつつ、2人は1軒の“海の家”に入っていった。昨日とは違うカフェだけれど、ここもやっぱり「WiFi Free」。この後に及んで、またインターネットしようっていう…。

本当は、ちゃちゃっとパソコン作業を片づけて、その後は海で泳いで、ビールを飲んで、爽快な気分で家路に…なんて思ってたのだが、今日もネットの速度が遅く、終いには停電で再び電波が途絶えてしまった。作業停止。イライラ、イライラ。

こういう、インターネット関係の「効率の悪さ」は、旅の中で最もイライラした気分にさせられる現象のひとつである。いつもいつも、停電、停電って…。結局クサクサした気分のまま、海で泳ぐような気分にもならず（大げさだけど）、気付いたらいつの間にやら夕暮れ時になってしまっていたのであった。

海に来て、ビーチを目の前にしてFreeのWiFiで“仕事（…というか、作業）”を片づけようとした、どっちつかずな判断が結局は間違っていたのだろう。やっぱり、「遊ぶ時は遊ぶ！仕事（作業）するときは、集中して作業する！」のが、イチバンなのである。

日暮れ時の混雑したバスに揺られて、隣り村であり“終点”の我が村Querim（ケリム）に戻ってくると、バス停の傍にあるインターネット屋で「ラップトップって、繋げます？」と訊いてみた。すると「もちろん。ここの机でお願いね。」と、素っ気ないくらい簡単にLANケーブルを差し出されたのであった。

「海が見えなくたって、潮風の匂いがしなくたって、こういうとこで集中して作業するのが、やっぱ正しいんだな。」…インターネットの速度も快調で、ここにきてようやく満足した作業をすることが出来た2人。昨日から今日にかけて、何とも無駄に時間とお金を費やしたもんだ。明日は、水曜フリーマーケットの日。ようやく“遊び”だけに専念出来そうです。