「祭。」
なんか、ここ数日はネパールにおける“祭”の日々であるらしい。
何の祭りなのかは、2人ともイマイチよく分かっていないんだけど、町を歩くと、通りはどこも電飾や花飾りなどで彩られ、華やかな印象を受けるのは、確かである。
2人はとりあえず、最も繁華な場所へ行ってみようと、リキシャに乗ってダルバール広場の方へと向かった。
乗物に乗ってカトマンドゥの町の中心部を見るのはこれが初めてだったけど、少し視線が高くなっただけで、見える風景が随分違うもんだなぁと、何だかビックリしてしまった。
車やらバイクやら自転車やら人やら、とにかく何もかもがゴチャゴチャと蠢いている狭い通りを、何にぶつかることなく上手に車を引いていく運転手のオヤジ。
その慣れた運転技術を信じるように努めながら、前は気にせずに車上からカメラを構え続ける。皆、写真を撮られる事をあまり気にしないのは、ここが観光ずれした町だからなのだろうか。
そんな風にして10分も経った頃には、目的地の広場が目の前に迫ってきていた。
排気ガスや様々な汚染物質によって淀んだ空気に屈折して届く昼の光の中、寺院の姿が妙に恭しく見えている。
その袂に群がる鳩の群れの中で、花飾りをつけた牛たちが餌を食べたり、寝転がったり…。
どうも、今日は牛を祭る日でもあるらしいです。2人もとりあえず、牛に向かって手を合わせてみる。「いつも、美味しいお肉を御馳走さまです。」
広場の周りで商売をする女たち。あまりやる気があるようにはみえないけど。
この花飾りが、町を彩ったり、犬や牛の首にかけられたりと、とにかくやたら大活躍していた。2人の泊っている宿の入口にもキレイに掛けられていました。
町中に漂う“お祭り気分”を片側の脳みそで味わいながら、もう片方の脳では「トレッキングの準備」について考え続けていたりもしていて…。部屋の中が、準備と称した“やりっ放し”状態になってるのは、この中途半端さからなのか。これが明日の夕方頃には、ばっちり片付いているハズ…なのですが!?