「Monkey Temple。」
午後、再び福田さんに連れられて、カトマンドゥのシンボル「スワヤンブナート」へ向かった。ここは通称“モンキー・テンプル”とも呼ばれる程に多くの猿が生息しているお寺で、高台に建つその寺の境内からは、カトマンドゥの街並みとその周囲に広がるヒマラヤ山脈の雄大な風景を一望のもとに見渡すことが出来る…。
この寺に辿り着く為にはかなり長い階段を登っていかなければならないのだが、さすがに現役登山家だけあって、福田さんの足取りはその年齢を全く感じさせないものであった。4周り近くも若い2人より早いスピードでその急な階段を登っていく“元気過ぎオジサン”に「山登りの時は、自分の足のサイズよりも大きい1歩を踏み出さず、とにかくゆっくりとペースを保つこと。」と言われても、何となく納得できない感じ(笑)。
階段の途中では猿たちがのんびりと毛繕いなんかをしていて、人が近づいてきても、奴らは全く逃げる気配を示さない。多分、逆に“隙”さえあれば逆に何か食いものでも奪ってやろうという気分ですらあるのだろうが、表面上はみな平和に共存しているように見える。
それにしても、この「石段を登る。」という行為は、寺や神社を訪れる際に“なくてはならない”ものの1つだという気がする。小さくて登りにくい石段を、時間を掛けて多少の疲労感と共に登り切ってこそ、その上にある寺や神社の「ありがたみ」が増す…ってもんなのだろう。
…この日もやはりその“効果”は絶大で、丘の上に広がる境内に辿り着いた瞬間、目の前に聳えるストゥーパ(仏塔)のデカさに「おぉっ。」と唸りを上げてしまったのであった。
ここはカトマンドゥ随一の観光スポットであるだけに外国人旅行者の姿も多く、広い境内はどこも混み合っていて、雑然とした雰囲気。
しかし、お寺としての毎日の行事は、そこだけゆったりとした静かな時間が流れている様な、まわりの喧騒から断絶した不思議な空気の中で行われていた。
これまで、教会だったりモスクだったり、「異国」をもろに感じさせられるような宗教建築物ばかり見て来たから、ネパールでする“お寺巡り”は、日本との趣味趣向の違いにも関わらず、どうにも親近感が湧いてしょうがなかった(笑)。
片隅でゴロリと寝転がってた子犬たちの図。親はどこに行っちゃったんだろう…。
人間の子供たちには、たいてい傍に親たちの姿が。みんな生き生きした表情してる。
今日は何だか“盛りだくさん”な一日になった。それも、全て予想もしなかった展開で(笑)。あらためて、「人との出会いが、旅をカタチ作っていく。」…ということですかね。