11 October, 10

「Across the Border。」

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早朝、AM5:00発のバスに乗って、そのままSyria(シリア)からTurkey(トルコ)への国境を越える。審査はいたって簡単だったが、こんな朝早い時刻でも国境越えの車が審査所の前に列をつくっており、そこを抜けるのには結局それなりに時間が掛かってしまった。

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バスがトルコ側のオトガル(バスターミナル)に到着すると同時に、イスタンブール行きバス会社の客引きが声を掛けて来た。2人は「次の目的地はイスタンブール。」と事前に決めていたから、とりあえずこのオヤジに話を聞いて、そのままチケットを購入することに。1時間半後の出発というのも時間的にちょうど良かったし(出発前に、少し何か食べたかったから。)、値段もガイドブックに載っていた料金と差がなかったから、あまり考えもせずにその場でチケットを購入してしまったのだが、いざターミナルの内部に入ると「イスタンブール行き」のバスはたくさんの会社が運行しており、もう少し運賃を訊き比べた後に、値切ったりしてみても良かったのかもしれない…などと、少しだけ後悔することとなった。

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ターミナルでは、昨日の夜にAleppoの町で顔を合わせていた日本人のカップルと再会を果たし(彼らは別会社のバスで国境を越えていたらしい。)、カフェでちょっとした食事をしながら、旅の話をして出発時間までの時間をやり過ごすこととなった。アジアからきた彼らとは違ったルートの旅路だし、彼らはこれからカッパドキアに向かうというから、もしかしたらこの場限りの、“たった1時間だけ”の出会いになるかもしれない。…でも、そう思っていた人たちと再び出会う事は今までにもあったし、何が起こるか分からないのが、2人がしているこの旅の毎日なのである。いつか、どこかで…。そんな気持ちで彼らと別れると、時間通りにやって来たバスに乗り込み、予定通りの出発時刻に国境の町「Antakya(アンタクヤ)」を後にした。

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ここからイスタンブールまでは約900km、18時間の道のりである。向かう途中にはカッパドキアやアンカラなど、見所となる土地が他にもあるのだが、なぜこれほどまで2人が今回先を急いだのかというと…。実は、1ヶ月ほど前にエジプトで治したJの歯が、シリアに入ってから再び痛み出してしまったのだ。それがここ2~3日はもう、痛み止めの薬を飲まなければどうにもならないくらいに痛みが増してきてしまい、一度はAleppo(アレッポ)で歯医者に行ってみたものの、衛生状態の怪しさにMの方が「ここで治さない方がいい!」と治療をボイコット。結局、2人の信用するトルコという国の大都会「Istanbul(イスタンブール)」の歯医者さんに、期待を託すことにしたのである。

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実は、治療場所をIstanbulに定めた理由はそれ以外にももう一つあって、それは「旅の途中で出会った韓国人の友人が、今、イスタンブールで働いていて、滞在中は彼女のアパートに泊めさせてもらえる。」という、長逗留に有利な要素がこの町に存在していたから。宿の料金がヨーロッパ並みに高いイスタンブールで、頼れる友人がいるというのは本当に有難いことである。それにしても…。いよいよ、3年半ぶりに、かつてこの旅の“出発の地”として訪れた街“Istanbul(イスタンブール)”に「帰る」ことになるのである。

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今や、「世界一周」というルート的な目標を失ってしまった2人の旅にとって、この、“旅のスタート地点”に戻る日というのは、何か、1つの節目となるような気分もあるけれど…。そこから先の旅がどうなるのか、今はまだ、確かなことは何も決まっていません。とりあえずまずは、イスタンブールへ。それだけが、今の2人の旅にとっての“全て”です。

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