06 September, 10

「Train to Aswan。」

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窓の外には、豊富な水を湛えたナイル河の緩やかな流れと、その周囲に広がる乾ききった砂漠の織りなす不思議な風景が、どこまでも変わらず続いている…。

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2人が向かっているのは、上エジプトに位置するヌビア人たちの住む土地「Aswan(アスワン)」。この列車に乗りこむ前、「南(地図的には、下側)に向かって移動していくのに、何でその先が“上エジプト”になるんだろう…。」と、本気で疑問に思っていたのだが、この心安らぐナイルの流れを何とはなしに眺めているうち、自然とその意味が理解出来たのである。「そうか、ナイル川の上流だから、上エジプトなのか…。」

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列車に乗り込んだのは昨日の夜10:00前で、列車は予定時刻通りにCairo(カイロ)の鉄道駅である“ラムセス駅”を出発した。ここでも、エジプト文字で切符に書かれた席番号を照合するのに苦労をして、車掌に何度か席を移動させられた後に、どうにか“安住の地”を得る事が出来た。1等車両の個室は6人用だが、部屋は比較的広めの造りになっている。

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日中の暑さにやられている分、夜になって襲ってくる眠気もまた強烈で、リクライニングも何もない席に汗に濡れた身体を埋めると、あっという間に2人とも深い眠りに落ちてしまった。途中、同室の人々の物音や列車の停車音で目を覚ます事はあったけれど、基本的には朝までグッスリ眠れたと思う。

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朝昼は車内販売のシャーイ(紅茶)と、エチオピアで買っておいた1袋10円の「カプチーノクッキー」でしのぐ。紅茶は5£E(≒75円)と町の相場より2倍以上は高いので、何となくお金を出し渋ってしまって、結局2人で1杯をシェアすることにした。
そんな朝食後もウトウトとしながら窓の外に目を向けているうち、多分あれはPM2:30くらいだっただろうか、列車は突然、終点となるAswanの駅へと到着したのである。

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覚悟を決めて外に出ると、そこでは、事前に予想していた以上の強烈な陽射しと“熱風”が、2人のことを待ち受けていた。「ドライヤーの中にいるよう」とガイドブックに書かれていたのは、残念ながらウソじゃなかったようだ。暑い。湿気がないからサウナとは違うが、まさに「ドライヤーの熱風」を身体全体で受けている様な気分である。

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列車から降り立つ客には地元の人々も混じっているが、そのほとんどはヨーロッパやアジアからの観光客であるようだ。次々とプラットホームに降り立つ人々はみな一様に大きな荷物を持ち、急ぎ足で出口通路へと吸い込まれていく。

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実は2人は今日の何時にこの列車がAswan(アスワン)に到着するのかを知らずに移動していたのだが、この時間になってしまったとなると、今日の遺跡観光は少し厳しいかもしれない。とりあえず宿で準備を整えて、遺跡巡りは明日から始めようか…。

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