前日の夜、ホテルのTVルームで「インディージョーンズ最後の聖戦」が上映された…。

映画のラスト、ハリソン・フォード演じる主人公が“聖杯”を巡る争奪戦を繰り広げるのが、ここPetra（ぺトラ）の大地であり、そこにある古代遺跡“El Khazneh（エル・ハズネ）”なのである。以前見たことのある映画だったけれど、その内容はだいぶ忘れてしまっていたから、ホテルで上映してくれた事によって、今日の観光に一層“臨場感”が増した気がする。…何せそれだけが、2人にとってこの遺跡を有名にしていた唯一の理由だったから（笑）。1km以上も続く細長い渓谷の間を抜けて、その岩間の向うにこの巨大神殿が見えてくる時の神秘的な風景は、人々に期待通りの感動を与えてくれる“名場面”である。
2人はAM7:00発のホテルの無料送迎バスでこの遺跡を訪れたのだが、この時間帯にはもう既に、かなり沢山の観光客が遺跡の前に集まっていた。世界的に有名な場所だけに、Tour旅行者の団体も数多く見かける。特に、スペイン人のおばちゃん団体が多いような…。ドイツ人やロシア人が多かったエジプトと比べると、その雰囲気の違いが2人の目を引いた。ワイワイと騒がしく、落ち着きがないというか…（笑）。そんな人々と、朝の光に染まり始めたEl Khaznehを2人でぼんやりと眺めていたら、いつの間にか3時間近くがその場所だけで流れてしまっていた。広い敷地をもつPetraの遺跡群の中で、2人にとっての“目的”といえる場所はこのEl Khaznehだったのだから、そこに時間を使うのは当然かなと思うのだが、そこまで長居している人って他にはあんまりいなかったかもしれない（笑）。でも、やっぱりこの遺跡は“雰囲気”がある。…単なる映画の影響かもしれないけど…。