08 September, 10

「Floating on the River。」

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ツアーから戻ったそのあしで、再び別のツアーに参加することになった。

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これは、途中“フルーカ”と呼ばれる小舟に乗ってその船上で1夜を明かしつつ、1泊2日の日程で200km川下に位置する古都Luxor(ルクソール)を目指すという内容のもの。

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…とはいえフルーカに揺られている時間は半日程度のモノであって、その後はバスに乗り換えて途中の遺跡を観つつ、目的地Luxorへと向かう事になる。つまり、フルーカは“移動の為”というより、途中の“アトラクション”的な要素の方が強い。

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最初は、このフルーカまで連れて行ってくれたガイドさんの態度が気に食わず、「何だこのツアー、ちょっと感じ悪いなぁ。」なんて思っていたりもしたのだが、実際ボートの上に乗込んでみると、そのゆったりとした時間の流れに“癒し”を感じてしまったのであった。ふいに“浮き草生活”って言葉が頭に浮かぶ。今の自分たちの状況にぴったりな感じ(笑)。

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帆に受ける微風だけを頼りに、静かなナイルの流れの上を行く“船上の時間”は、陸地で感じるそれよりも何か、ゆっくり、のんびりしたテンポで過ぎていく。

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小さなボートの甲板全体に柔らかいマットレスが敷かれており、乗船中は終始、その上でゴロリと横になり、眠りながら水音を聞いて過ごすことになる。

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…というか、それ以外にやる事なんて何もない。眠る事が“良し”とされる雰囲気の中で、何のストレスも感じずにひたすら眠り続けられる事が、このリラックス効果を生んでいる“素”なのだろう(笑)。

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そんな甲板の上で、星空を見ながら1夜を明かした翌日の朝。やはりボートの上で調理された簡単な朝食と紅茶を啜り、ナイル河の優しく美しい流れを見つめ続ける。ナイルが、これ程澄んだキレイな河だとは知らなかった。透明な水の中には沢山の小魚たちが泳ぎ、周囲からは小鳥やカエルの鳴き声が聞こえてくる。朝の陽射しを反射した水面が美しい。

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この後、周辺の陸地にボートをつけて、そこからはバスに乗換えて進む事になる。エアコンの効いたミニバス移動は確かに魅力的だけれど、このゆったりとした舟の移動にも、去りがたい魅力を感じてしまった。実際、ボート上で過ごした夕方~早朝の時間帯のナイル河は、昼間の暑さがウソみたいな、とても過ごしやすい気温であり、環境だったのである。

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「今日もまた、遺跡三昧だぁ~。」これからまた、乾いた大地へ戻る事になる。
水があるって、やっぱり素晴らしい。この暑くて過酷な土地に大きな文明を築かせたのは、人のチカラでも神のチカラでも何でもなく、やっぱりこの豊かなナイルの“水”の功績なんだろうなぁ…と、妙にしんみり実感してしまったのでした。

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