この日のツアーの2箇所目として訪れた遺跡「イシス神殿」。ナイル河に浮かぶ聖なる島“フィラエ”の上に建造されたこの神殿は、やはりアスワンハイダムの建造により水没の危機にさらされることとなり、結果、隣りの現在地“アギルキア島”へ移転されることとなった…。

島の上に浮かぶ遺跡ということで、ここを訪れるにはボートをチャーターすることになるのだが、この船頭との値段交渉がかなり面倒臭い。ボート乗り場は遺跡入場口の中にあり、そこで値段交渉をする時点では既に入場料を支払ってしまっているわけだから、「ボートの料金が高すぎるから行かない」というには状況的にかなり不利であり、だから船頭にも足元を見られることになってしまう。

とはいえこの遺跡はアブシンベル程にはメジャーでないらしく、訪れる観光客の数自体が格段に少ない。それに引き換えボートの数はやたらと多く、ここで船頭同士の静かな「客引き競争」が始まる事となり、こちらとしてはそこに唯一の「値下げの糸口」を見つけることとなるのである。

今回のツアーでここを訪れたのは、2人を含めて合計4人（全部日本人）。その4人で1代ボートを借りるのに、「島内での見学時間は1時間。」という条件で最初は100￡Eと提示されたのだが、何とか粘って交渉を続け、それでも結局1艘60￡E（≒900円）で行ってもらうことになった。ガイドブックでは1艘45￡Eが公定料金となっているんだけど…。

それにしても、とにかく陽射しが暑すぎる…。ちょっとした遺跡の木陰を見つけては身体をその中に隠して休み、お湯になってしまったペットボトルの水を飲んで喉の渇きを潤しつつ、また少しだけ歩く。本当はもう少し涼しかったりしてくれれば、もっとしっかりと遺跡を“味わって”見学出来る気がするんだけどなぁ…。