「Cruiser。」
ホテルの傍まで迎えに来たオンボロのセダンに乗って、何十艘もの豪華クルーザーが停泊するどこかの埠頭へとやってきた。場所の名前は分からないが、大抵のダイビングTourやシュノーケリングTourはこの埠頭から出発しているらしい…。
時刻はAM9:00前。空はいつも通りの雲ひとつない快晴だが、内陸部にいた時と違ってここでは終始、涼やかな風が吹き抜けている。そのせいで海の表面に波が立っているのも事実なのだが、これから向かうシュノーケリングSPOTにはそれはあまり影響しないらしい。
それにしても、せっかくこうして早起きをして埠頭へとやって来たのに、問題のクルーザーがいっこうに動き出す様な気配を示さない。周りの船を見渡してみるとどれも「満員御礼」といった具合にデッキが客で埋まっているのだが、この船はどうにも客の集まりが悪いらしく、それが出港準備をしない(出来ない)理由であるようだ。
…それでも待つほどに何とか人は集まっていき、ガラガラだったデッキの上が、最後には席が足りないくらいの人でごった返してしまった。結局、AM10:30に2人の乗ったクルーザーが出港。この時点で周りの船はとっくに出てしまっていたから、やはりどうにも“遅れをとった感”は否めないのだが…。
それにしても、海の“蒼さ”が目に痛いくらいだ。こんなに水の色がキレイだと感じられるのは、オーストラリアやフィジーの海を見た時以来だろうか。深くなっていく水深のために水の蒼さも深みを増していくのだが、そこにこの海の透明度を疑う余地は全くない。
このクルーザーには、1階と2階にデッキ席が設けられている。屋根の少ない2階席は陽射しがかなり強烈なのだが、そんなことにはお構いなしで皆こちらに集まって座っている。オープンデッキに水着で座って、蒼い海と青い空の両方を感じながら風を切って進んでいくのは、本当に気持ちがいいものだ。
因みに今回のシュノーケリングツアーは、参加費用1人110£E(≒1700円)。昼食付き。ボロボロのセダンがお迎えに来た時には「大丈夫かな…。」と不安になったりもしていたけど、実際参加してみると思いのほかクルーザーの質が良く、久しぶりにラグジュアリーな気分を味わいながら「リゾート」を楽しむ事が出来るのが嬉しい。
アフリカの今まで通って来た国々では、「舟」といえばダウ船とか小さな“帆船”ばっかりだったからなぁ…(笑)。まぁ、あれはあれで楽しかったんだけど。とりあえず、“海賊”から、“一般市民”に戻ったかな…って。
裸の船長は今までのアフリカ的船長たちと大差ない装いだけど、操縦室には彼の奥さんと子供も乗っかっています。家族で仕事に便乗して“楽園の海”へ(笑)。そういうのって、何だかとっても良いなぁって思う。人生は楽しく過ごさなきゃねぇ。
さて、そろそろ最初のシュノーケルPOINTに到着したのかな…。