12 August, 10

「House of Wonder。」

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丘の上の草原の間に建つ、古都“Gondar(ゴンダール)”の城跡。他のアフリカ地域に見られないようなヨーロッパ式の古城をこの地に見出した西欧人は、ここを「House of Wonder(不思議の城)」と呼んだという…。

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入口でガイドを雇えば、この城の歴史を解説してもらいながらその見識を深めつつ“正しい観光”をすることが出来たのだと思うが、ケチな2人は結局自分たちの目と足だけで、この不思議な場所の妙に穏やかな空気をゆっくり感じてみることにしました。
17世紀初頭に建造されたというこの城の造りをみてまず、「このエチオピアに住む人々が、そんな昔にこれ程の建造物を作っていたなんて…。」と、純粋に驚かされてしまった。

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ここまで、南アフリカ・ケープタウンを出発点としてアフリカ大陸の東側をゆっくり縦断してきた中で、民族的トラディショナルスタイルの家から、都会の西欧風マンション、さらには近代化された町に立ち並ぶバラックにも似た粗末な家々まで、様々な「住居」を目にしてきたが、そのどれ1つをとってみても、これ程精巧な造りの西洋的石造建築を作り出せる技術を感じさせる要素はなかったと思う。

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これだけのモノを作り出せる技術と文化を得ていたならば、なぜ今、それを自分たちの生活の中で全く生かすことが出来ないでいるのか…。正直、現代エチオピア(アフリカ)の生活状況を見ていると、こんな城を建造しようというような“性質”を人々が持ちえているとは、どうしても思えないのである。

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それは別にアフリカの人々の性質を悪く言っているワケではなくて、単純に「西洋的近代文化の価値観と、彼ら(アフリカの人々)が民族的な暮らしの中で培ってきた価値観は、全く違うものなんじゃないか」と。合っていない価値観を無理やりに押し付けられたがために、今、ほとんどの人々はそこ(近代化)から“あぶれてしまった”人間となり、常にある種の「貧困」を見る者に感じさせる雰囲気をまとってしまっている気がするのである。

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そして、その「貧困の空気」こそがアフリカの都市に独特の“危険な香り”を与えていて、それを感じてしまうからこそ、2人もここまで長く旅してきながら、都市では常に何か落ち着かない気持ちにさせられてしまうのだと思う。

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トラディショナルな生活をし続けていれば少なくとも「貧困の空気」をまとうことなど無かったはずなのに、近代的な暮らしの中で「ポレポレ」を地でいってしまったが為にそういう立場に立たされてしまった(で、あろう!?)人々の事を思うと、物乞いをする人々や犯罪を犯してしまう人々も含め、何かやりきれないものを感じるのです。

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移動中に聴くI-Podの中の曲には「All you need is Love.(愛こそすべて)」的な内容のものも多いけど、こういう世界を体感すると、貧困の最中で人類愛を唱えられる人は、やっぱりそうそういないんじゃないだろうかって思ってしまう。それは、別に彼ら(アフリカの人々)のせいなんかじゃなく。

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…どう考えてみてもアフリカの人たちの性質には“欧米的生活”よりも“民族的生活”の方が合っているような気がするけれど、今さらここまで浸透してしまった便利な欧米文化を捨てる事もできないだろうし…。じゃぁ、どうしたらこの大地から“貧困”が無くなるのか…。う~ん、「アフリカの未来」を考えるのって、こう言ったらあまりにも無責任だけど、本当に難しい事だなぁって思います。
~Gondar(Ethiopia)にて~

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城を出たところで、今日もミックスジュースを。今日のお店のは、「マンゴー、アボカド&グァバ」の組み合わせでした。う~ん、美味。

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