「Harar。」
昨日、一昨日と寝不足気味な日々が続いていたので、今朝は2人ともAM10:00頃までぐっすりと眠りこんでしまった。それでもまだ眠い気分をどうにか振り切ってごそごそとベッドを抜け出すと、宿泊しているBelayne Hotelの屋上レストランで遅めの朝食を済ませ、すぐに城壁に囲まれた世界遺産の町“Harar(ハラル)の旧市街”へと向かった。
ここはエチオピア国内では唯一、イスラム教色の濃い町である。旧市街の中には狭い範囲に80以上ものモスクが点在しており、イスラム教徒にとっては聖地のひとつとされていて、時に「第4のメッカ」などと呼ばれる事もあるという。
城壁に囲まれた旧市街というと、2人にとっては3年前に訪れたモロッコの町々が強く印象に残っている。入り組んだ細い路地の連続はイスラムの町ならではのものだが、ザンジバル(タンザニア)やラム(ケニア)のそれというよりは、ここはどうもそのモロッコの町々に近い雰囲気も持っているようである。漆喰塗りの建物が並ぶ風景や、海辺ではなく山の斜面に沿って広がる町の様子が、2人にそういう印象を抱かせるのかもしれない。
今日はとりあえず“散歩する”という事以外には取り立てて大きな目的を作らず、ひたすら通りを歩きながら、新しい土地の感触を確かめる事に。“エチオピアだから”と、かなり肩ひじ張って構えていたのだが、思っていたよりも人が優しく、しつこくもないのが少し意外だった。ここでも「ジャパン!」と声を掛けられるよりは「チャイナ!」と言われる方が圧倒的に多いが、最近ではそれもあんまり気にならなくなってきてしまった。「ジャパンだよ、ジャパン。」と訂正する事もあるけれど、そのまま「ニーハオ(笑)。」なんて答えることも、ちょいちょいあるし。ここでも相変らず“カラテ”と“カンフー”は、老若男女問わず関心を集めているよう。後進国における、ジャッキー・チェンとジェット・リーの与えた影響(あとブルース・リー、か。)は、本当に計り知れないものがありますね。
旧市街を歩いたあと、その西側に広がる城壁外の“新市街”も歩いてみたけど、特に歩いて楽しい場所ではなかった。でも、カフェで飲んだ「Mixジュース」と、バーで飲んだ「Harar Beer」はどちらも非常に美味しかったと思う。特にビールは、イスラム教世界であるHarar(ハラル)に、その土地の名が付いたビールがあるってことにちょっと驚いた。良く冷えてて良かったんだけど、どちらかというと味的には「St George」の方が、苦味がしっかりあって“好み”かな。