07 August, 10

「Sweet & Sour。」

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昨日の夜、ふとした瞬間に何となく、3年前の旅立ちの日のことを思い出してた…。

あの頃は2人とも、遂に実現する「世界旅行」への期待と、期待と、…とにかく期待ばっかりが頭の中を渦巻いていて、未知の世界を空想することだけで幸せな気持ちになれていた気がする。それはまるで「恋」のような、ちょっぴり“甘酸っぱい気分”だったはずなんだけど、今、3年以上の月日が過ぎ去り、様々な国を通り過ぎて来た後に思い出そうとしてみると、その時の“気分”ってやつが、どうにもはっきりと思い出せない…。

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こういう長旅を続けていると、時間が経てば経つほど、そして、多くの経験を積めば積むほど、好奇心や冒険心が少しづつ、でも確実に摩耗していってしまうものなのです。旅立ちの頃は新品のパンツのそれのように「パツンッ!」と張っていた心のゴムも、“旅が日常の毎日”を過ごし慣れていくにつれて、次第次第に緩みはじめてしまうのである。

…例えば、旅の最初の最初、日本からのフライトでトルコのイスタンブールに降り立った時の、「なんか、スゴイとこきちゃったなぁ…。」って思った感じ。

例えば、ギリシャの島々の白く美しい家並みを見た時に感じた、夢の中にいるような心地。

毎日、夜行の寝台列車を乗り継いで、ヨーロッパの町から町へと移動を繰り返していた時の、疲れを知らない“勢い”と楽しさ。

モロッコのシェフシャウエンで初めて味わった、イスラム文化の濃密な空気感。

マチュピチュ・トレイルを完遂した時の、心の底から湧きおこってきた達成感。

ブエノスアイレスでの優しい日々。そして、パタゴニアの自然に触れた時に感じた、何とも言えない巨大な感動…。

目の前のモノ全てが新鮮で驚きに溢れていたあの頃以来、世界中の様々な「スゴイもの」を見たり感じたりしてきた分だけ、次に対するハードルがどんどん上がって、いつからか、心から感動できる場面というのが少なくなってきてしまった気がするのです。新しい国や風景を目にした時、何処かで見た“かつての風景”と比べて、類似点を探して、何となく「あぁ、こういう感じかぁ。」なんて、冷静に考えてしまっていることに気付いた時の寂しさ…。結局、そういう寂しさを感じてしまっているような現状だったから、出発当時のフレッシュな気分を思い出そうとしても、それがなかなか上手く出来なかったのだろう。

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そういう、長く旅しているからこそ抱え込んでしまうある種の“感動に対する鈍感さ”については、中南米を旅している途中でも考える事はあったんだけど、アフリカを旅している途中あたりからは、自分たちが旅している意味とか、「旅の終わり」って事なんかとも絡めて、何となく以前より頻繁に考えてしまったりしていた。…それが、昨日、ふと“出発した時の気持ち”を思い出そうとしたことによって、実は何となくその“感動うんぬん”に対する思いの部分だけは、とりあえず少しだけ吹っ切れたような気がするのです。
…何で吹っ切れたのかって所は微妙なニュアンスで、ちょっと表現しづらいんだけど…。
とにかく、何か、これから先の旅ではまた別の視点から、新たな感動を発見出来そうな気がしていますよ(笑)。

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