24 June, 10

「Japan vs …。」

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その日の夜。宿のオヤジによれば「PM9:30から日本の試合放映されるよ。この先1km坂を下ったところにあるホテルでTVを見せてもらえるはずだから、そんなに早く出なくても大丈夫だと思うけど。」という話だったのですが…。

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一応念のため、時間1時間前に宿を出て、真っ暗な夜道をそのホテルへと向かったところ、いざホテルに到着してみたら受付係の人が、「ここにはTVないよ。村に行かなきゃ、村に。食堂でTV観れるからさぁ。」だって!?
ちょっとちょっと、聞いてないよ~、そんな事!!?…とはいえこの場で駄々をこねていてもTVがどっかから飛び出してくるわけじゃないし…。とりあえず今から、村に向かう車をヒッチするしかない!?ホテルの前の道に立ち、通り過ぎる車を待ちかまえる2人。

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この時点でMとしては「やっぱり、こんな夜半に7km先の村まで行くなんて、あんまりイイ案じゃない気がするなぁ…。」と考え始めていたりもして、1人意気込むJとの間に再び“険悪なムード”が漂い始める…。何というかこれは、“W杯の魔物”的なモノの仕業か…。
結局1時間近くの間に通り過ぎた車はほんの数台で、その中にタクシーブルースは含まれず、それ以外の車も停まってくれない。「これなら、歩いた方が良かったじゃんよ~。」という気分が高まってきていたところ、最後にようやく1代の車が2人の前に停車してくれたのです。

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その人はイスラエル出身の白人さんで、もうかれこれ15年ほどここマダガスカルでくらいしているらしい。かつて旅行で訪れて「夢のような場所」と思ったこの国も、いざ働く立場になってみると、「これ程タフな場所はない。人々も“よそ者”には厳しいしね…。」ということになってきてしまうらしい。現在、再び他の国への移住を考えているようで、その候補には「ニュージーランド」があがっておりました。

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…さてさて、そんなことよりも問題はサッカーだよ、サッカー。予定では既に放映開始時刻を過ぎた頃、ようやく村の食堂へと辿り着いた2人は、すぐに目に入って来たTV画面を食い入るような視線で見やった。「…何だ、まだこれからみたいじゃん。良かった、間に合った~。」安著するJ。その横で、帰りの事を考えて不安になりっぱなしのM…。それでもとにかく、予定通りに試合は観戦できそうかな…と気分が少し落ち着いたところに、始まったサッカー番組を流す画面がパッと映し出したのは、何と日本でもデンマークでもなく、オランダとカメルーンの選手たちの姿だったのである!?「えっ、なに、どういうこと!??」思わず周囲の席に座る地元のおっさんたちに問いただすJ。すると何と、日本の試合は既にPM5:00からで放映終了してしまっており、「いや~、兄ちゃん、日本はイイチームだねぇ。2-1だっけ、3-1だっけか?とにかく勝ったじゃないの。オメデト(笑)。」…みたいなことをサラッと言われてしまったくらいなのである。…途端に顔が曇るJ。日本が勝った事の喜びよりも、今日の場合はそんな“あんまお目にかかれない好試合”を見逃した悔しさがこみ上げて来てしまった。そして何より、「いったい何のために、あんなに大変なヒッチまでしてここまでやってきたんだよ、全く…。」という気分が、2人の胸中に別な角度からイライラを募らせてしまったのです。何とも言えない、最悪のムード。こうなるとオランダvsカメルーンの試合なんか観ようという気にさえなれず、どちらからともなくすぐに帰りの車を探し始めたのだが、これがまた結果的にはその試合が終了するまで結局見つからなかったという…。上手くいかない時は、何やっても上手くいかないもんです。この日以来、気分だけじゃなく頼みの“体調”まで崩しがちになってしまうとは、この時の2人はまだ知る由もありませんでしたが…。

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