12 April, 10

「Stuck…。」

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OmuthiyaからOshakatiを抜け、Tsandiへと向かうルートは非常に景色の美しい道のり。
時おり通り過ぎる村や町の雰囲気も楽しいし、とにかく自然の豊かさにため息が出る。水辺に佇む牛や馬たちの姿も絵になります。

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…ただ、そこから目的地のOpuwo(オプウォ)へと抜ける“C41”という道が予想外の“大問題”で、ここ数日に降った雨の影響からなのか、とにかくどこも水たまりだらけになってしまっていたのである。最初は誰かによって造られた“迂回路”を通り抜けながら美味い具合に切り抜けていたのだが、奥へ奥へと進んでいくにつれてその迂回路すらも微妙なコンディションに…。そして、何十回目かの沼地を抜けようと少し無理した場所に踏み込んだ時、遂にタイヤが空転し始めたのである!?「ヤバっ、もしかして…スタック!??」

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2人外に出て沼地に足を突っ込みながらタイヤの下を確認するが、完全に泥にハマりこんでいて、1人(J)が車を後ろから押しながらアクセルを踏み込んでみても、まったく動く気配がない。「なにか、タイヤの下にかませるものを探そう。何だろう、木の枝とか、石とか…。」不意に周囲を見渡してみると、さっきまで周りに茂っていた木々がここでは完全に姿を消しており、前にも後ろにも使えそうな「道具」が見当たらない。石もなく、あるのは草と、ぬかるんだ土だけ。「ヤバいな、どうするか…。」必死に探しまわった挙句に何とかJが見つけてきた枝を、タイヤの下の泥をかき出してできるだけ深くカマせてみる。「これでもう一回、アクセル踏んでみようか…。」泥だらけの手足のまま運転席に乗り込むM。そして、そのアクセルの踏みこみに合わせて後ろから車を押してみるJ。
…しかし、期待とは裏腹に、我らがカローラは全く動く気配がない。むなしく空転するタイヤを眺めながら、「どうするか、あと何が出来るんだろうか…。」と、次第にあせり始める2人。Mを心配させないためにJは出来るだけ冷静を装っていたけど、内心はやっぱり、かなり焦っていたと思う。枝のカマせる方向を変え、力を加える方向を変え、アクセルの力加減を変えながら何度も沼地からの脱出を試みるも、車は思ったように動いてはくれないのである。時間だけが、空しく確実に過ぎ去っていく。

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…そうして何度同じような失敗を繰り返しただろう。何度目かの“枝のカマセ方変更”の後に「俺がアクセル踏んでみるから、Mは後ろから俺の合図と共に車を押してみてよ。」と役割交換をした、その最初の試みで、何となんと、遂に泥だらけのカローラを憎っくき泥沼から抜け出させることに成功したのである!!…奇跡の様な瞬間。泥のついた手足をバタつかせ、抱き合って喜びあうJとM。「やった、やったよ~!!」

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この時ほどの喜びと達成感を味わったのは、これまでならマチュピチュトレック達成の瞬間とか、パイネ登頂の瞬間とか…。とにかく、メチャメチャ嬉しかった(笑)。そして、初めて自分たちで“スタック”を体験して、その大変さを体で実感したのです。あんなこと、二度と経験したくない!?(実はこの後にも同じ道で再度スタックしそうになったのだが、この時は早めに後ろに車を押し戻し、1度目ほどの難局は逃れた。)こんな、誰も通りかからないような田舎道でその体験に遭遇したものだから、助けてくれる人すらいなかったし…。身体中泥だらけで、車の中(特に運転席)も泥だらけ。これ、レンタカー会社に怒られないように後で掃除しとかないとなぁ…。

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更に恐ろしい事に、この日の大変さはこのスタックの一幕だけじゃなくて、その後の道のりもいつスタックしてもおかしくないようなドロドロ、水溜りだらけの悪路で、どこかのインフォメーションのスタッフが勧めてくれたハズの道なのに、カローラなんかじゃとても来られる様な場所じゃなかったのです。「これ、やばいんじゃない、ちょっとストップSTOP!!」…「右から抜けるべきか、それとも左からか…」などと、難所のたびに議論をぶつけつつ、何度くじけそうになったことか。ほんのたまにすれ違う地元の人に「この道って、オプウォに通じてるんですよね!?」と尋ねると、みな一様に、「そうそう、オプウォ、OPUWO(笑)。」と当たり前のように応えてくれるので、まぁ何とか最後までくじけずに進めたには、進めたのですが…。でも、「あと何キロくらい?」と尋ねた質問に対する答えがいつも適当で、「あと10分くらいかな」とか、「あと7キロくらいじゃない」という答えに対する期待がそのたびに裏切られるのには、かなりうんざりしました。まぁ、そんな小さな“期待”が2人を前に進ませていたのかもしれないけど…。

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最終的にオプウォの宿に着いたのは、PM7:00近くになった頃。今日は本当に、身も心もボロボロです。こんなに“沁みた”ビールを、久しぶりに飲んだ気がするなぁ(笑)。

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