16 February, 10

「Police Station。」

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朝起きたら昨日の夜の事は全部夢だった…なんて事を頭の片隅で期待していたけれど、やっぱり財布はどこにもないようで…。

まぁそうだよなぁ、なんて思いながらベッドの中でグダグダしていたところ、2人の部屋に受付の女性が入ってきて、だしぬけに「あなた、Nagatsunaさん?警察から電話がきてるわよ。」と伝えてくれたのであった。
まだ醒めきっていないボヤっとした頭のまま、1階ロビーの受付で渡されるままに受話器を取る。すると、電話の向うの若い男がおもむろにこう切り出してきたのだ。
「君がMr Nagatsunaかい?君たちは昨日、○○署で盗難の調書を作成してるよね。一体何を盗まれたのか、ここでもう一度、口頭で言ってもらえないかな。」

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ワケが分からないまま、それでも必死に昨日の出来事を思い出しながら受話器に向かっ
て盗難物を伝え始めた。「財布2つ、帽子、カメラ、携帯電話…」
すると今度は向うから、それに被せるようにしてこんな言葉が帰ってきたのである。
警察:「携帯電話って、何処の会社の、どんな色のものかなぁ?」
J :「Nokia製で、色は黒と灰色で…」
警察:「携帯は1つだけだった?」
J :「いや、もう一つ。そっちは○○社のもので、色は赤系で…」
警察:「なるほど、なるほど。それと、カメラの方はどんなものだったのかな。」
J :「…え~と、Pentaxの防水デジタルカメラで、表面の色はピンクっぽいかと…。」
警察:「オッケー分かった。多分その3つについては、今私たちの手元にあるものだろう。」
J :「…えっ、手元にって…んっ?どういう意味でしょうか…!??」
警察:「出来れば今からこちらの署まで来てもらいたいんだけど、今は大丈夫?」
J :「いや、大丈夫ですけど、今起きたところなので着替えだけさせてもらえれば…。」
警察:「オッケーOK。じゃぁ今から10分後にホテルの前までパトカーで迎えにいくから。」
J :「じゅ、10分後…。わ、分かりました !用意しときます!!」

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…そんなわけで、オーストラリア滞在最終日、朝一番から2人揃って警察署へ。そこで詳しく教えてもらったところ、昨夜の内に犯人が別件で捕まり、そいつのポケットの中の所持品に2人のカメラと携帯電話が含まれていたらしいのである。カメラには2人が昨日移したCrown Casinoでの写真がバッチリ残っていて、自分たちのカメラである事の証明は簡単に終了。ただ、一番大事な財布とその中身のカード類については、どこかで既に捨ててしまったのか、とにかく犯人も未だ否認している状態とのことで、どうも戻ってくる気配はなさそうである。しかも2人には、今夜のフライト時刻までしか時間が残されていないのだし…。まぁ、その辺は一度諦めたものだから、気分的には「やっぱり…」という感じだけど、それより何より、あの憎っくき犯人が捕まってくれたということだけでも、何だか救いがあった気がする。あいつがぬくぬくとシャバを歩いてたんじゃ、何だか余計に悔しい気がするしね。

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それにしても、オーストラリアの警察もなかなかヤルもんだなぁ。まさか犯人がこんなに早く捕まるなんて、全く考えてもいなかった。確かに昨夜、調書を書き終えて署を出る間際に担当の警官から「犯人はきっと見つかるから。安心しなさい。」なんて言われてたけど…まさか本当にそうなるとは!?
そして、身元確認と物品の受取を済ませた2人がホテルへ向けて歩き始めた時、後ろから不意に、スーツ姿の刑事に声を掛けられたのである。
一通りの自己紹介の後、今度はそいつからこんな言葉が。
「もしかしたら、あとで犯人の面通しをお願いすることがあるかもしれない。その時は十数枚の写真の中から犯人の顔を認識してもらう事になるから、よろしく頼むよ。」
こんな、刑事ドラマでしか見た事のないような事まで言われる始末なのである(笑)。この辺りまで来ると、財布を取られたショックよりも、この特殊な状況を楽しむ気分の方が強くなってきていたと思う。しかしあの犯人、一体何をやらかしていたのか…昨日見た雰囲気からすると、何かクスリ系っぽいかなぁって気もするけど…。
(結局、“面通し”は行われませんでした。ちょっと残念だったなぁ…。)

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追記。
Mの買ったばかりの帽子があんな奴に盗られたままなのは何かしゃくだったので、結局最終日の夕方に再び同じデパートへ買いに行きました。すると店員のおばちゃんがMの事を憶えていて、「あなた、最近きたことあるわよねぇ…。」って…。そこで「ここぞ」とばかりに昨夜の惨劇を熱っぽく語ったところ、痛く同情してくれたらしくて結局10%OFFにディスカウントしてくれたのです。ここでも、再び少し心が救われた気分。おばちゃん、どうもありがとう!!!

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