「Climb up。」
午前7時過ぎに、バスはUluruの岩山の麓に到着した。
日が登ったばかりの大地にはまだ少し夜の冷気が残っていて、昨日の昼間の様な過酷な暑さは訪れていない。Uluru登山用のルート入口を見に行ってみると…まだ「閉門」にはなっていないようである。良かった、これで念願のUluruに登ることが出来そうだ…。
気温や強風など、様々な自然条件によってこの入口はとても頻繁に閉門になっているようだったから、チャンスを掴めたことにまず、2人は喜びを感じてしまったのであった。
最小限の荷物に十分な量の水を持って、遂に登頂開始である。
開始早々、見た目以上に岩の勾配が急な事に気付き始めた2人。手すりは設置されているものの、すぐに「後ろを振り返るのは嫌だな…」と思うくらいの怖さを感じることになった。こんなのは、グァテマラのティカール遺跡にあった5号神殿を登った時以来だろうか。
途中途中、斜面に腰を下ろしては水を飲む。その際に見る地上の風景がどんどん小さくなっていくのだが、何せ不安定な足場でのことだけに、あまり余裕を持って眺めていられないのである。かなりスゴイ景色だとは思うんだけど…。
この時間帯でも既に上から下りてくる人たちが結構いて、その人たちはいったい何時くらいから登ってたんだろう!?と少しビックリさせられたりもしました。
中にはレオタードのような、下着の様な変態的な格好で降りてくる男たちの姿も…。う~ん、バカは本当にどこにでもいます(笑)。急こう配の真ん中でそんな風にして降りてくる人々に挨拶をしながら、何とか無事に最初の難関部を登り切り、8合目とでも言えるような地点に到達。ここまで来ると風がかなり強く、油断をすると飛ばされてしまいそうな気分があります、実際。さらに上を目指していく前に十分な水をここで補給し、気合いを入れなおして再出発。ゴツゴツとした足元に気をつけつつ、まだ見えてこない頂上目指して2人は登り続けるのであった…。