28 June, 09

「大脱走、大迷走。」

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Maxが逃げた。しかもかなり思い切って…。

仕事から帰るのが遅くなったその日。既に日が暮れて辺りは暗くなっていたのだが、体が小さくてご老体なJemaはともかくMaxだけは散歩に連れて行ってやらなければと玄関の方へと近づいて行ったJ。Maxはすぐに“あっ、散歩だ!!”と気が付いた様子で、バタバタ暴れて“いてもたってもいられない”ご様子。そんな折に外の雲行きを確認しようと少しだけドアを開いた途端に…なんと、1瞬の隙をついてJemaの方がささっと外に飛び出してしまった!?それに気づいたMが追いかけようとドアを開いたその時に、今度はMaxが物凄い勢いで外へと飛び出してしまったのである。

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ただ、Maxはいつも感動的なくらいに2人の言う事をよく聞く賢い犬であったから、最初は2人とも名前を呼べばすぐにこちらに帰ってくるだろう…と、それ程心配していなかったのだが、今回ばかりはどれだけ名前を呼んでみても全く帰ってくる気配がない!?それどころかもう、本当に信じられないくらいのスピードでみるみる闇の彼方へと消えていってしまったのである。
「やばい、これはちょっとヤバいかも…。」気づいた時にははるか彼方へと走り去ってしまったMaxを追って、今度は2人が全力疾走をする番である。

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「Max、マックス!!」と何度も呼びながら辺りを見回してみるものの、どこまで行ってもどこにもMaxの姿は見えない。次第に心の中の不安が膨らんでくる2人。その後、「もしかしたら家に戻ってくるかもしれないから…」とMは家へと帰ることにして、Jのみが周辺の捜索作業を続ける事に。静かな住宅地は既に夜の暗闇に包まれていて、街灯もほとんどない通りではほとんど見通しが利かない状態である。まいったなぁ、もしどこかで車なんかに轢かれでもしたら…そんな悪い想像が頭の片隅をよぎり出したその時…数軒先の住宅の陰に、見慣れたワンコの姿が見えた。いた、いたいた、あいつだ、マックスだ!!
「マックス!」ここでもう一度名前を呼んだのだが、ヤツは今回もさらに走りだしてしまったのだ。しかも、ひとさまの庭を横切って!??
…仕方がない…。Jもやむなくその他人の家の庭を通り抜け、走り去るマックスを全速力で追いかけていく。そして、さらにいくつかの空き地を横切り、向こう側の通りに出たところでもう一度ヤツの名前を呼ぶと、ようやくここでマックスがこちらを振り向き、そうかと思うと踵を返してこちらの方へと帰って来てくれたのであった。
「マックス~。全くお前は、何でこんなに走りまくっちゃったんだよぉ~。」
安心感で足をよろけさせながらも、正面から近づいてきたマックスを力強く抱き抱えるJ。
「まぁ、とにかくよかったよかった。家でMも心配してるだろうから、さっさと帰って安心させてあげようかねぇ。…」そんな言葉を犬のマックスに投げかけながら、しかしふと辺りを見回してみて新たな事実に気づいたのであった。
「んっ、ここって…どこだ??一体!???」
どうやら、暗闇の中で走り去るマックスを必死に追いかけている内に、J自身が道に迷ってしまったようなのである。元々歩いたことのない方角にマックスが逃げてきたこともあり、周囲の風景にまったくもって見覚えがない。というか、暗過ぎてその風景自体がはっきりと認識できないくらいである。とにかく、来た方角目指して歩きだしてみるか…。
持ってきた紐をマックスの首輪に取り付け、ゆっくりと歩き始めたJとMax。こうなると紐をたるませたままの速度でJの横を大人しく歩いてくるのだから、まったくこいつは分からないものである。今まで家で犬を飼った経験はなかったのだけれど、これはなかなか難しいもんだなぁ。…そうしていくらか歩いてみたのだが、道はなかなか思った様な通りにつながってこない。それどころか思いがけない所で思いがけない方角に曲がったかと思うと、最後には元いた場所に戻ってきてしまったようなのである。
「やばいなぁ、地図なんか持ってくる余裕もなかったしなぁ…。」
そうこうしている内、どうも最初にマックスを見つけた時に横切ったと思われる“他人ん家の庭”らしきものが目に入った。
「これは、この庭をもう一度横切るしかないか…。」
結局この庭を通り抜けたことで、パッと風景がひらける事となった。一気に見覚えのある通りが見え始め、あっという間に愛しの我が家へ。そこではMが待ち構えていて、1人と1匹の姿を見ると一目散に駆け寄ってきた。
「マックス~。どこ行ってたの~!!心配したんだからね!!!」
それでも顔には安心の色が。とにもかくにも、ようやくこれで2人とも息をつく事ができたのであった。思いがけない脱走劇に、心も体も疲れさせられてしまった2人。
逃げた犬を探しまわるなんて、ドラマとかでしか見たことなかったし(笑)。しかも相手は自分の犬ではなく、ホストファミリーの犬なのである。まったく、全く…。それでも終わってみれば笑い話になったけれど、とにかく今日は大変な1日だったのでした。

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