02 May, 09

「Life Style in Australia。」

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仕事を終えた後の夕暮れ時、2人で宿を出るとビーチに沿って歩き始めた。

今の仕事はその性質上、日によってはPM2:00~3:00に終了してしまう事も多く、午後の余った時間をこうしてキレイな海を見ながら穏やかに過ごすことが出来るのが嬉しい。
でも、どうやらそれは2人の様な一時就業者のみに限った事ではないようで、こちらの暮らしを見ていると、この“余裕”がそこら中にあふれているような気がするのである。
どのお仕事も大体夕方5時頃には定時通りに終了するから、仕事帰りに家族で町に買い物しに出掛ける…なんてこともよくあることであるらしいのだが、先日この宿に併設されたお仕事斡旋事務所“Go Work About”の主であるPhippi(50歳台くらい。女性)の車に乗っけてもらった際に、それに関わるちょっと面白い経験をすることとなった。

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その日2人はBusseltonまで彼女の車で送ってもらう事になっていて、
「途中で仕事終わりの娘を拾っていくから、まずはそれにつき合ってちょうだいね。」
と、その娘さんが働く隠れ家的高級スパ“Enpaire Spa”へと向かうことになっていた。
Phippiによるとそのスパはオーストラリアでも5本の指に入るくらいに高級かつ格式のあるスパで、彼女の娘さんはそこでエステティシャンをしているとのこと。
おしゃべりしながらの10分程度のドライブの末、到着したそのスパリゾートは、派手さはないもののやはり独特の雰囲気を醸し出していた。
入口付近をウロチョロしながら2人とも興味深々でその様子を観察させてもらっていた時、
「2人とも、建築とか内装に関わる仕事をしていたんでしょ。ここの内部空間は本当に素晴らしいから、良かったらちょっと見せてもらいましょうか(笑)。」って、Phippiが…。

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そう提案してくれたPhippiを先頭にして重そうな入口ドアを押しあけると、そのすぐ内側の廊下中央にキレイな若い女性が立っているのが見えた。感じのいい笑顔で挨拶をしてくれた彼女(名前は分からず)に近づいていき、さっそく内部見学のお願いをすると、
「もちろん、OKですよ。それなら私が案内してさし上げましょう。」
と、そのまま中へと連れて行ってくれたのである。
そしてその途中、どうやらPhippiの娘さんらしき女性が帰り支度を終えて入口に向かってくるのにすれ違った。しかし、こちらをハッと見たその表情がどうにも曇っているように見えたのは、いったい…!?その曇り顔に気を取られつつもさらに内部へと歩き進んでいくと、さすがにオーストラリアで5本の指に入るというだけのことはあり、内部にはとても贅沢なスパ設備が整えられていた。…かといって派手に飾るわけではなく、シックで落ち着いた雰囲気を演出しているのにはとても好感が持てる、というような感じだ。

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静かな通路を通った先の、やはり重厚感のあるドアをさらに押し開いて中へ。
「ここがお客様用の個室スパ空間ですよ。」
と紹介してくれた部屋の内部は、広い空間にたっぷりとしたサイズのまっ白な浴槽が中央に置かれ、周囲にシャワー設備やマッサージ台などが余裕をもって配置されていた。その向こうの大きな窓からは、外庭の良く手入れされた木々が並んでいるのが見えている。
非常に気持ちの良い空間、であるのだけれど…!???
床にはタオルが散らかった状態で、どうも片付け前の状態のようである。それでも、案内してくれた女性が 「今はちょっと片付いていませんけどね(笑)。」
と冗談っぽく話してくれていたから、その状況にもそれ程違和感を感じはしなかったのだけれど…どうもこれが、実は大変な修羅場であったようなのだ。

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この日案内してくれたキレイな女性はこのスパではかなりの“お偉いさん(Big Boss)”であり、このボスに片付いていない部屋を見られることは、Phippiの娘さんにとっては致命的なミスであったらしいのである。本当は見られずに済むはずのところを、こちらが見学に訪れたが為に、こうして見つかる事になってしまったのであり、帰りの車の中でも2人(J&M)と娘さんの間の雰囲気はどうにも微妙なものになってしまった。
まぁ、日本的な感覚でいけば「後片付けをしていなかった娘さんの自業自得。」とも思えるところであるのだが、どうもこちらの人の感覚では、「定時を過ぎたら、作業の途中でもその時点で仕事終了。」ということでもあるみたいで。こんな高級スパでさえも、片付けの途中で仕事を終了してしまうという…なんとも文化の違いを感じてしまうが、それだからこそ“自分の時間”を確保できているってことか!?まぁ、基本的には時間内に作業を終了させとくべきなんだろうけど、このあたりの感覚が、いかにもオーストラリア的なんだろうなぁ、なんて、しみじみ感じさせられたりもしたのでした。

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