予報通り、今日の天気は“曇り時々雨”。
鞄の中の折り畳み傘を出したり仕舞ったり繰り返しながら、あいも変わらず町を歩く。

そして、昼過ぎ。「いるかなぁ～。」と思いながら立ち寄った“彼”の泊っているバックパッカーにて、まんまとその“ケンジ君”に出会う事が出来た。向こうもちょうど出掛けようとしていたところだったから、運が良かったという感じでもある。
その宿の中庭に通してもらい、雑談をしながらリラックスタイム。この宿は宿泊客の大多数が台湾人であるらしく、あちらこちらから中国語の会話が聞こえてくる。建物の規模が大きい分だけ宿泊客の人数も多くて、2人のHostelに比べるとかなり活気があるようだ。

目の前に座っていた若い台湾人のグループが、チョコチップクッキーを御馳走してくれた。なかなか友好的なのです。3人で美味しくいただきました。
ケンジ君とはそのままメシでも食いに行こうという事になったのだが、なにせまだ少し時間が早い。腹ごなしの意味も含めて、とりあえずその辺をプラプラ歩こうかということになった。宿の入り口を出る辺りで、Mがケンジ君に何気なく…
「今、無性に髪が切りたくって、安いHair Cutの情報を探してるんだよね～。」
と切り出したところ、思いもよらない答えが彼から返ってきたのである。
「僕のPerth友達で、美容師さんが1人いるから、頼んだら多分カットしてもらえると思いますよ…。」
「えっ、ほんと！？是非ぜひ、お願いしたいなぁ！」
その場から電話をかけてもらうと、ちょうど今Perthの駅周辺に来ているらしく、早速今から会わせてもらうことに。嬉しい急展開に、Mのテンションも自然と上がります。
そして、お馴染みのスーパー「WOOLWORTH」の前で待ち合わせた「ヨシコさん」は、何とちょうど今お仕事道具（ハサミやら、一式）を持ってきているというのである。
「よかったら、今からでも切れますけど…どうします？」（Y）
「えっ！？おっ、お願いします、是非！！」（M）
トントン拍子で、これからカットしてもらう事が決定。場所はヨシコさん御用達のとある公園で、雨も完全に上がっていたから、開放的な雰囲気が非常に気持ちの良い場所であった。
考えてみれば、この旅を始めた最初の頃にベルギーでドレッドを掛けて以来、Mが自分の髪の毛をカットするのは何とこれが初めてのこと。中南米の途中まではドレッドHairが残っていたが、途中、管理が出来なくなって結局自力で全てほどいてしまい…それ以来は、とにかく伸ばし続けていただけで「カット」とは縁がなかったのである。

Jとケンジ君が隣のベンチから見守る中、「Yoshiko美容室」のお仕事は手際良く軽快に進んでいく。そして、少し重たい印象になっていたMの髪の毛が、最後にはとっても軽いエアリーヘアーに生まれ変わったのでした。
仕事終わりにはヨシコさんも一緒に、4人で“激安ベジタブルカレー”を囲んでの夕食会。
4人の座ったテーブルの周囲では様々な“不思議系出来事”が起こったりもした（！？）けど、気持ちも髪の毛も久しぶりに非常に満たされた、とにかくとても楽しい夕食になったのでした。