18 March, 09

「Rottnest Island。」

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AM5:30にセットしたアラームの音が鳴るよりも早く、2人は順番にそれぞれの浅い眠りから目を覚ました。先に起きてキッチンに入っていたMは、お弁当の支度をしながら、Jが着替えて部屋から出てくるのを待つ。外はまだ暗く、端の方がようやく白み始めてきたくらいだ。

今日は、日帰りの“島観光”へと出掛ける予定の日。
向かうのは、Perthから電車に乗って30分ほど南に移動した港町“Fremantle”の沖合に浮かぶ小さな島、「Rottnest Island(ロットネスト島)」である。

Perth駅から6時27分発の電車に乗り込み、真っ暗な町を南へと向かい始める。途中で空が明るくなってきたかと思うと、窓の向こうに海岸線が見え始めてきた。
空には昨日雨を降らせた雲がまだどんよりと漂っているが、遠くの方を眺めてみると先行きは悪くなさそうな塩梅だ。たぶん、昼前には何とかなるんじゃないかなぁ…。
7時前に、Fremantleに到着。そこから歩いて10分程の所にあるフェリー乗り場で自分たちの乗り込む“便”の準備が整うのをしばし待つことに。まだ日が明けきらない港の水辺には冷たい風が吹きすさんでおり、泳ぐ気満々の格好でやってきた2人にとっては凍える位に寒く感じられる。このまま雲が晴れなかったら、この恰好じゃ“もたない”かも…。

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AM7:30に、予定通りフェリーは港を出港した。あまり大きく揺れることともなくて、2人とも船内の椅子にもたれてグッスリ…。そうして、ふと気がつくと船が早くも接岸し始めているのであった。30分って、本当にあっという間です(笑)。
船には予約客用のマウンテンバイクが積み込まれていて、チケットを持っている乗客たちは桟橋に降りると同時にその場でバイクをレンタルする事になる。
2人も自分に合ったサイズのものを選び、ここから早速、自転車に乗っての1日島内観光がスタート、である。地図を片手に、この小さな島をどのようにして廻っていくかを検討し始める2人。とりあえずポストカードでよく見る灯台が近くにあるみたいだから、そっち周りで走り始める事にしようか…。

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末だ天気は曇りがちだけれど、時々雲間から顔を出す太陽の光が、朝の澄んだ空気の中にゆっくりと溶け込んでいく。それでも暑いというより、暖かいといった感じの陽気である。
島内の家々はどれも平屋建ての可愛らしい造りをしていて、のんびりとしたイイ雰囲気だ。この島でも仕事募集があったけれど、それもスゴク良さそうな話だなぁ。
(結局、この話は募集が終了していたために実現はしませんでしたが…。)
そんな、車もほとんど通らないような島の道路を、気持ち良く走り抜けていると…

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傍らの木陰に、いきなり「Quokka(クオッカ)」の姿を発見!?自転車を降りて、そろりそろりと近づいてみたが、どうも逃げるような気配はない。
結局そのまま至近距離まで近づいていって、頭を撫でてやったりなんかして(笑)。周りに人間がたくさんいるからなのか、飼いならされてしまっているのか…とにかく、とても大人しく、そして可愛らしい動物ですね、こいつは。
ひとしきりそいつと遊んでしまうと、そこから数分の距離にある「灯台」の前までやってきた。道路脇に設置された「自転車置き場」に愛機を置き、歩いて海辺の方へと近づく。

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そして、灯台脇を通り抜けながらその先のバルコニーの端に立ってみると、雲に覆われた空の下に広がる海の姿が見えていた。
雲間から覗く青空はこの大きな空の中でとても小さく、心許ない。肌寒さの消えない朝の水辺の空気の中で、それでも子供たちは元気に海の中に入って遊んでいるみたいだ。
その向こうでは、カメラを三脚にたてて構えた大人たちが、太陽の方角を眺めているのが見える。曇り空とはいえ、“日出”は彼らにとってそれなりに絵になる場面であるのだろう。

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ポストカードの中で見たこの灯台付近の海の色は、どこまでも透き通ったエメラルドグリーンのハズだったんだけど…今、目の前に広がっている海は、雲の色と同じようにどんよりと濁ってしまった灰色の水をたたえている。やっぱり、海の色は、空の色で、空の色が海の色なんだよなぁ。とにかくまずはこの雲がどこかに行ってくれないと、この島の本当の美しさには出会う事が出来ないのである。ここはもう、祈るしかないですね。
因みに、この浜辺でようやく朝ごはんを食べた。昨日買っておいた、惣菜パンとリンゴジュース。太陽が出ていないとメシが痛まないのは良いんだけどねぇ…。

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