15 March, 09

「Return to Perth。」

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楽しかった動物園をあとにした2人は、行きと同じ約2kmの道のりをバス停に向けて歩き始めた。灼熱の世界と化した西オーストラリアの広大な大地の上、強烈な日差しに体中が焼け焦げていくのを感じながら2人で歩いていると、自分たちがとても小さな存在であるという弱気な感覚に襲われてしまう。

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前にも後ろにも、自分たちの他にはこの道を歩いている人の姿を見る事は出来ない。
行きにはそれなりの数の人たちがバス停から同じように歩いて動物園へとアクセスしていたわけだから、帰りだって誰かしらいてもよさそうなものなのに…。
時折通り過ぎていく車はクラシックな形のものが多くて、それらは多分、動物園の隣の敷地で行われていた「クラシックカー・フェア」からの帰りであるのだろう。

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Jはタオルを、Mは薄手のマフラーを頭に巻きつけて少しでも日差しを防ごうとするのだが、そういう装備の上からでもなお、太陽は着実に2人の体力を奪っていってしまうのである。たまに現れる木陰に入る度、その場に立ち止まって焦げた身体を冷まそうとしたりして…たいして体温が下がるわけでもないが、かといって木陰を素通りして歩き続けることも出来ない。非常に過酷な気候ですね、これは。

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途中に出くわした倉庫の様な建物の脇に、公衆トイレが設置されているのを発見したときには、思わず「助かった…。」とつぶやいてしまったくらいだ。
ここで水をボトルに補給し(オーストラリアは水道水が飲めるようなので)、顔を洗って少しだけリフレッシュした気分に。Jは頭にまいたタオルを濡らして、太陽熱への“小さな抵抗”を試みる。そんなことでもしないと、先に進む気にもならない“暑さ”なのである。

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そこから更に数十分歩き、ようやく公園の敷地を抜けると、バス停の屋根下に腰をおろして次の便が通るのをひたすら待ち続けることになった。
途中で白人の女の子2人が同じバス停にやってきたのだが、彼女たちは動物園付近からここまで“ヒッチハイク”にて移動してきたようである。なるほど、この辺りならそういう方法もあるわけか…。今後の参考にしようかなと、そんな事をぼんやりと考えていた。

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園内のインフォメーションデスクで聞いた時刻表通りであれば、もうすぐにでもバスが通りかかるハズなのであるが…いくら待っても来ないところを見ると、どうやら時刻が間違っていたらしい。
10分、20分、30分とゆっくり経過していく間、日陰でさえ暑さに耐えかねてじっとしている事が出来ない状態。Mは途中でベンチから立ち上がり、少しでも空気の冷たい場所を求めて周囲をウロウロと歩き回っていた。
そして、ようやく“本日最終”であるはずのバスが停留所に到着した。

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「クーラー効き過ぎくらいの車両がいいねぇ。」などと話していたのだが、きたのは少し古めな車両タイプのもので、クーラーは無く、そのかわりに客席部の窓が全て開け放たれているような感じ。しかし、そこから入ってくる空気は完全に“熱風”という具合で、常にドライヤーの空気を浴びているような不快感が顔の周囲にまとわりついてくる。
最初の乗換えポイントとなるターミナルに到着すると、乗り継ぎの関係で1時間ほど待ちぼうけ。その間に日差しはようやく穏やかになって、空気も少しヒンヤリしてきた。
ようやく、何かと“熱い(暑い)”1日が終わりに向かい始めたみたいだなぁ…。

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