07 March, 09

「Gay & Lesbian Night。」

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噂のパレードの開幕時間が、いよいよもう“すぐそこ”まで迫ってきた…。
マーケット巡りを終えたあと、その足でOxford Streetへと再びもどり、その“通り”の様子をあらためて見て、2人とも「ほうほう、そういうことですか…。」といやに納得してしまった…。いや、大部分の通行人たちは普通の、どうともない本当に普通の方々なのですが、その中にちらほらと“普通でない”方々の姿が混ざり始めているのである。

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車道の脇にはパレードに備えて高さ1メートルくらいの柵が用意され、要所要所には超巨大スクリーンと、かなりの数のTVカメラが設置完了している様である。
柵の外側、つまり、歩道側には既にかなりの数の見物人たちがパレードの為の「場所取り」を開始していて、歩道わきの店では、そういう見物人の為にプラスチックの簡易イスを10ドル前後で売り出しているようだ。特に、中国人系の商売人が目立つ気がしますが…。
たしか、PM7:00~8:00にパレードはスタートするはずなのだが、現在時刻はまだ4時を回ったくらいなのである。そりゃぁ、安けりゃ椅子も買いたくなるだろうなぁ。
そういう様々な思惑を抱えた人々の間をすり抜け、雑然とした通りをCentro側へと進んでいくと、2人はこのOxford Streetに面した1軒のカフェで腰をおろした。
ここには前々から1度は行ってみたいと思っていたのだが、タイミングが合わなくってこれまで入る機会がなかったのだ。しかし、こういう“潰したい時間”が出来た今、ここに来るにはちょうど良いタイミングだと思ったわけで、何の気なしに入店したということだったのだが、ここはここで、やはり“Gay & Lesbian文化”の影響を色濃く受けたそれなりのお店であったようである。壁にかかった写真やアートもそちら系の文化を伝えるものが多いし、こういう日だからかもしれないけれど、客層もそちらの方々が多勢なような…。

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J はビールを、M はレモネードを注文して、それぞれその1杯を飲みほしながらパレードに向けての心の準備と、それから何でもない雑談を少々。目の前でマッチョな男ども6人組が小さな皿に盛られたメシを丁寧に食べている姿を見ていると、そこには何だか、少し可愛らしささえ感じてしまう。往々にして、こういう趣向の人達っていうのはどこかしら「可愛らしい」ものなのであろう。
店の外の喧噪も、先ほどからまた更に増してきたように感じる。ちょっとのぞくと、変装したような人々の軍団が、スタート地点へ向けて移動している姿もちょくちょく見られるようになってきた。しかし、それでもまだ時間はPM5:00前である。

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本当はもう少しこのままカフェでゆっくりしていたいけれど、柵の廻りの場所取り具合を眺めていると、そううかうかもしていられない気がしてきた。仕方無い、まだ時間はたっぷりあるけど、こちらもそろそろ動きだしますか…。
カフェの前の通りを横切り、比較的人の少ない場所を見つけて2人も柵の最前列に何とか「席」を確保した。近くてプラスチック椅子を売っている中国人がいるようだが、もちろん2人は節約のため、ケツが痛くとも購入はせず。
コンクリートの地面から、日中に吸い込んだのであろう太陽の熱気がじわじわと伝わってくる。気がつくと、この周囲に陣取っているのはどうもほとんどアジア人みたいだ。
そこでの時間は本当に長かった。場の雰囲気は「スタートが近づいている」ことを伝えてくれてはいるのだけれど、陽が落ち、人だかりが膨れ上がっても、目当てのパレードが一向に始まらないのである。ケツは痛いし、トイレは行きたいし、でも場所を離れるわけにもいかないし…。そんな葛藤に、思う存分苦しまされていた、その矢先…

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不意に鳴り響いた音楽と共に、遂にその噂のパレードがスタートしたのである。
のっけからもう、100%“彼ら”の世界(笑)。
いや、“彼ら”と“彼女たち”の世界か。全体を通してとにかく非常にアグレッシブで、そのハシャギっぷりや身体の動きが、“思わず”という感じの笑いを誘う。

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仮装というか、衣装も様々なパターンがあり、グループごとにテイストの違う出し物を用意してくれているから、飽きずにどこまでも楽しまされてしまう。
パレードに参加しているグループの数もかなりのもの。実際にはGay や Lesbian と全く関係ないような“警察官グループ”、“消防団グループ”、“バスの運転手グループ”、“社会福祉団体グループ”などなど、様々な団体がこのパレードに参加していて、彼らなりのやり方でパレード全体を盛り上げてくれている。

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こんなに大きな町の、これだけ大きなイベントであるのに、どこか町ぐるみの「お遊戯会」的なほのぼのとした空気も漂っている。
いや、もちろんそれはこのパレードにおけるほんの1側面でしかなくて、本物の“彼ら”の“演技”と言ったら、もうどこまでもエスカレートしていってしまって…。

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しまいには、
「これって、こんなに堂々と公共的なイベントで見せていい内容なのかね!?」
と、不安になってしまうほどの過激な内容へと到達していくことになるのである。
こうして見ていると、日本のTVで活躍している「おかまキャラ」や「Gayキャラ」は全てこの場に集結している感じ。それ以外のパターンも豊富で、まさにその方面の総合展示場といった様相だ。そういえば、HGってまだいるのかな…。

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夜のイベントであるだけに、Jのコンパクトなカメラの性能ではこれ以上にはその多様な世界を捉えきれず、ここに紹介した写真については本当にほんの1部という感じです。

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実際のパレードでは、もっと「えっ、えぇ~!!?」っていうような内容の出し物が様々な趣向で催されていて、とにかく最後までその場を離れる事ができない。
8時に始まったパレードが10時過ぎに終わりを迎えるまで、全ての出し物を堪能させてもらういました。…数日前まで、このイベントがあることすら知らなかったのに…(笑)。
パレード終わりには今日も吉野家で牛丼を食べ、汚れに汚れたOxford Streetを横切って宿のあるKings Cross周辺へと向かう。行き交う人々の中にはさっきのパレードに出ていた人々も大勢混ざって“打ち上げ”をしており、シドニーの賑やかな夜の町がいつもより一層“華やか”に彩られているように見える。
2人はといえば、立ちっぱなしのパレード見学で足腰がもう痛みまくっていて、一息ついたら何だかドッと身体の疲れがあふれ出てきたみたい。飯も十分に食って眠たくなってきた瞼をこすりながら、そんな非日常的な町をぼんやりと眺めつつ快適な宿へ向って歩き続けていたのであった…。

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