22 February, 09

「夕涼み。」

yuugata22%2000.jpg


夕方、涼しくなってきたSan Telmoの町を歩きながら、赤く染まり始めた空を眺めていると何だか切ない気分になる…。

出店の片付けも徐々に進んで人々が帰り支度を始めてるその風景は、まるで「祭りのあと」といった感じ。そんな町の雰囲気が、こういう切なくて寂しい気持ちを心の奥から運んでくるのかもしれない。とはいえ、決して悪い“気持ち”ではないのだが…。
広場の片隅を通り過ぎる時、路上でパンを売っている若い兄ちゃんに不意に声をかけられた。 「美味しいよ。1つ買っていかないかい?」

yuugata22%2001.jpg

聞くと、オリーブとオレガノを生地に練り込んだパンであるという。その説明からして確かに美味しそうで、言われた通りに1つその場で購入してしまった。
2人で分けるために半分の所で折ってみると、みっちりとした生地の内側から漂ってきたイイ匂いが2人の鼻をくすぐった。ガブリッ!…うん、美味い。
オリーブがとても良く効いていて、その後味が次の1口を誘う。もう一口、もう一口…とやっているうち、あっという間に平らげてしまった。

yuugata22%2002.jpg

見た目にはそれ程大きくなかったのだが、食べてみると「ふんわり」ではなく「みっちり」なためか、思った以上にボリュームがあった。これだけでもう結構、2人ともお腹がふくれてしまったようだ。

yuugata22%2003.jpg

今度はその腹ごなしも兼ねて、更に辺りを歩き続ける。
昼間はあんなにたくさんの人々がごったがえしていた通りに、今は数えるほどしか人影が見えない。まったく、彼らはいったい、どこへ消えてしまったのだろうか。
そんな風に、一時的にではあれ“住んでいる”ものとしての目でどうやらこの町を見ている事に気がついて、ちょっと可笑しくなってしまった。
2週間という期間以上に、この場所とこの町には2人とも愛着を感じているのだ。
明日からまた新たな、そして、“最後の”1週間が始まるんだなぁ。

コメントを投稿





コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。