毎週末は、アンティーク三昧。
ここに来た時点からもう、そうやって決めていたから、もちろん今日も、午前中から勇んでご近所（San Telmo地区）をブラブラしてきました。

ただ、今日はどうにも天候に恵まれず、朝から小雨がパラつくような空模様…。広場に出る露店の数も、先週と比べると随分少なかったみたいだ。

雨が降ると、店出さない人は出さないんだねぇ、やっぱり。分かるような気もするし、でもやっぱり、物ぐさだなぁっていう気もしてしまう。
こっちは数少ないSan Telmoでの週末を、毎回楽しみにしてるってのに！？（笑）
それでも、そんな少ない店の中からでも欲しいものは確実に目の中に入ってきてしまうわけで…。今日は露店では買い物はせず、だが、2人にとっての“メインターゲット”はアーケードの中の行き馴れた店の片隅に隠れていたのであった。
そこは、以前にも帽子や糸を購入した、主に服飾関係の雑貨を扱う道具屋である。
その、本当に小さなお店の中で、こまごまとしたボタン類をガバっと入れてあった革の旅行鞄が気になり、ふと手にとって眺めていると…奥から腰を上げて出てきたオヤジがこんな風にして切り出してきた。
「これは、1930年代の旅行鞄で、素材は全て革であり、状態も非常にいいと思いますよ。普段なら160ペソと値付けをしているところですが、毎度（過去2回）お買い物をしてもらっているあなたたちだから、今日は120ペソ（≒3200円）で譲りましょう。」
思ったよりも手の届く額に、思わず「おぉっ！？」と身を乗り出してしまう2人。改めて手にとってゆっくりと眺めてみると、確かにこの辺りの他の店に置いてあるようなものと比べても革表面や内部の状態がかなり良さそうに見える。表面に張られた昔の検閲のステッカーなんかも、逆にそれがあることでいい味だしてる感じがする。
うん、いいなぁ～…とは思いながらも、相変わらずゴニョゴニョと2人何か言いあいながら迷ったそぶりを見せ続けていると…
「分かりました、あなた方には負けた、100ペソ（≒2600円）にしましょう。これでどうです、もう迷う事はないでしょう。これはいい買い物だと思いますよ（笑）。」
これで、勝負あり。即座にその場でお買い上げしてしまいました。

問題は、日本にすぐに送るのか、持って歩くか…ということであったが、一応ちょうど手荷物サイズのようなので、取りあえずオーストラリアまでは連れて行こうということにしました。マリメッコのトートの代わりに、今回はこいつで機上の人になる予定です。
後ろに背負っているのがアウトドアブランドのバックパックってのがちょっと締まらないけど。…っていうか、バックパッカーなのにこの鞄を買っちゃう方が間違っちゃってるのかもしれないけど（笑）。

因みに今日の夜飯は、先週もこのマーケットの後に食して2人とも大いに気に入ってしまったチョリパン屋さんにて。（チョリパン＝チョリソの挟まったパン）
ここのチョリソーは台湾料理の「腸詰め」に近い。その味にどうにもハマってしまった。
店の壁には、開業当時からの思い出が詰まった写真や、訪れたお客さんたちによる“お勧めコメント”がびっしりと貼られている。そして、それよりも大きなスペースを占めているのが、店のオヤジが大ファンだという「BOCA」のポスターや新聞の切り抜き。店のビニール庇の色もボカ・カラーにしているくらいなもので、もう相当にのめり込んでますね。
根っからのファンという感じ。こういう情熱には、本当に“素敵さ”を感じてしまいます。