21 February, 09

「Piano man。」

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夜はRestaurant “El Querandi” にて、この街で2度目のTango Dinner。

ここは先日訪れたPiazzola Tangoなどのように広い会場ではないけれど、それでもレストランとしてはそれなりに大きな規模のものであろう。格調高い内装空間を持つその建物はちょうど角地にあたっており、食事スペースはその“角”を真ん中にして“くの字型”に折れたような形状になっている。
Tango Showが行われるのは、ちょうどこの“角”部分に設置されたステージ上で、その両サイドに客用のテーブル席が並べられているのである…う~ん、説明が難しいなぁ(笑)。
今夜のTango Showチケットは「コースディナー込」のものではなく(その分前回のものよりも随分安いのではあるが)、ついてくるのはワイン1杯とTapas1皿のみ。

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それでもこの“Tapas”として出てきた「クリームチーズ&ベーコン載せパン」がとても美味しくて、これはこれなりに満足してしまったのでした。
ワインも非常に美味しい。今日もまた、ショーが始まる前段階で既に酔いが回ってしまったみたいだ…。
開演は、前回と同じPM10:00。サッカーといい、本当にこちらの娯楽は“夕食後”のこの時間帯がゴールデンタイムであるらしい。本当に、老若男女とも夜が長い国なのである。

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レストランの壁の数か所に設置されたスクリーンにTangoの生立ちを紹介するような映像が流れ、その中の最後に出てくる曲にかぶせるようにして、目の前の暗闇から現れた生バンドの演奏が始まっていく一連の過程は、聴いていて(観ていて)ちょっと鳥肌が立ってしまうほどであった。
そうかと思うと、ある段階から不意に、レトロな衣装に身を包んだ数人のダンサーたちがテーブル席の合間を縫ってステージ上へと掛け上っていくのだが、これがなかなか臨場感があって、ステージと客席の一体感をより一層高めてくれる。

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会場の大きさのせいもあるのだろうが、とにかく前回のショーと比べると格段に“ステージと客席の距離”が短く感じられる気がする。この、くの字型に折れ曲がった室内空間のカタチが与える影響もあるのかもしれない。実際の距離感以上に、ステージ上の演者たちが自分たちから近い存在に思えるのである。
ステージ上で女性歌手が哀愁を漂わせながらゆったりとした動作でスローバラードを歌ったりすると、何かもう、まるでマダム・ジーナの店(紅の豚より)にでも来たような気分がしたものだ。

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目の前で繰り広げられるショーは全体がある物語を構成していて、もちろん“セリフ”なんてものは1つもないけれど、演者たちは歌や踊り、色とりどりの衣装などで、その成り行きを巧みに表現していく。
そして、今回もう1つ素晴らしかったのは、ピアノ奏者の熱演であろう。バンドのリーダーとして全体を指揮する一方、自分のソロだけで聴かせるパートでの演奏も素晴らしく、さらにはダンスや歌唱のパートを含めて、全体をコントロールしていた印象がある。
ショーは最後まで目を離せない展開で幕を閉じ、鑑賞後には心地よい満足感を与えてくれる事となった。新しいスタンスでTangoと接する事が出来たのが、今日の大きな収穫であったと思う。何だかまた、新しい“Tangoの世界”への欲求が高まってきたような…。

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